楽観的過ぎると言われましても… ページ29
『まぁ、来てしまったものはどうにもなりませんし、それならばこちらで如何に生活するかを考えなければなりませんし…』
首を傾げながら話すと槇寿郎殿は「前向き過ぎやしないか…」と頭を抱えておられた。
『生きる事は大変ですから、先ずは食料調達に水源の確保。
一応塩は常に持ち歩いておりますので…』
槇寿郎「どこの漂流者だお前は!?」
『幼き頃より常にそう教え込まれます。
山で迷っても生き延びられる様にと』
槇寿郎「……一度お前の故郷とやらが見てみたいよ…」
お見せ出来るならしてみたいのは私もです。
柱の方々が私の話に興味津々で色々聞かれますので。
百聞より一見だと宇髄殿が言っておられました。
杏寿郎「父上!朝餉が出来ております!!」
千寿郎「参りましょう!!」
槇寿郎「んな!?お前等いつの間に…待て!引っ張るな!押すな!!」
おや、何やらとても楽しそうに師範と千寿郎が槇寿郎殿を引き摺って行く。
…お二人がコッソリ聞いているのに気付いておられなかったのか…
ならああもなるだろうな、うん。
ぎゃあぎゃあと文句を言いながら師範に引き摺られて行く槇寿郎殿。
なんだかんだ言って楽しそうに見えてしまうのは…気の所為だろうか?
その日は朝餉から賑やかで、槇寿郎殿は私の居た世界はどんな風なのかをしきりに聞いてきた。
師範や千寿郎も興味深く聞いていたが、いつの間にか室内は他の柱の方々がチラホラと…
…聞くのに夢中で気付いてはいないようですね、槇寿郎殿…
蜜璃「お菓子持ってきたわ!」
しのぶ「どうぞ、お茶です」
槇寿郎「あぁ、すまん……うぉ!?」
宇髄「オッサン、気付くの遅えよ…」
義勇「おかわり」
千寿郎「はい!まだ沢山ありますが他には?」
実弥「俺もだァ」
悲鳴嶼「私もいただこう…」
無一郎「僕も、オウカもいるよね?」
伊黒「お前達な…」
しかしちゃっかり伊黒殿も召し上がっているのは見逃してはいませんよ?
しかも甘露寺殿の隣を抑えてますしね!
柱の方々は忙しい筈なのだけど、其の辺りは突っ込んではいけないのだろうか?
…ご飯が足りなくなるかもしれない、少し炊いて汁物も追加で作ろう。
そう思い席を立つと、槇寿郎殿に「お前は座れ、話を聞かせろ」と止められてしまう。
いや、これは継子である私の仕事のひとつで…
千寿郎「私がやってきますので御安心を!」
そう眩しい笑顔で言われてしまっては私も動けなくなってしまった。
そして矢継ぎ早に話を振られ、それに答えていく事に。
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作者名:綺羅 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225
作成日時:2022年12月1日 21時