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何なんだと言われても ページ27

『?』

意味が解らず首を傾げると畳を拳でダン!と叩き付け

槇寿郎「だからお前は一体何なんだ!!」

そう指を差して問われる。

『師範の継子ですが…?』
槇寿郎「いやそうじゃなくてな!!!」

では一体何と言えば収まるのだろうか…?

すると槇寿郎殿ははぁー…っと深く溜め息を吐いてから

槇寿郎「お前はそこいらの人間から掛け離れ過ぎてるんだよ!
何もかもが!!」

『褒めて下さりありがとうございます!』
槇寿郎「褒めてない!!」

んん?
違ったのか…?

槇寿郎「まずその耳か!?鳥の翼みたいな…」
『あぁ、我が種族、エヴェンクルガ族は皆この様な耳ですよ』

笑って答えると、「え、えゔぇん…?」と眉を寄せて困った顔をしていた。

『どうやら私は違う世界からこちらの世界に来てしまった様なのです』

槇寿郎「違う世界…?」
『話せば長くなりますが、宜しいですか?』

その問いには短く「構わん」と答えが帰って来た。
なので私の世界の話をすると、顎髭を擦りながら興味深げに聞いて下さった。

槇寿郎「…神隠しか…?」
『お館様もそう言われました。
そして私は幸せになる為にこちらの世界へ来たのではないかと…』

槇寿郎「…強い子を成す為に主を探す等、いつの時代かと思ったが…
……まさか、お前の産む子は皆そんな耳になるのか!?」

そ、そんなに…嫌なものなのだろうか?
エヴェンクルガ族は嫌われる種族ではないと思っていたのだけど…

『子は母方の種族になりますので…恐らくは。
こちらでそれが変わる可能性もあるかもしれませんが…』

槇寿郎「…こっちの世界だと、虐めの標的にされかねんぞ、姿形が違うというのは特にな」

心配、してくださったのだろうか?
しかし私自身は不思議がられても、虐め等は…

槇寿郎「さっきも言ったがお前は色々掛け離れ過ぎている、お前は大人だろうから戯言も撥ね退けられるだろうが、子はそうもいかないだろう」

やはり心配してくださっているのか。
…本来ならばこの様に優しい方なのだな…
ならば何故自分の息子達にはあの様な態度を取るのか。
今は聞いてはいけない気がする…
日を改めてからが良さそうだ。

『きっと、なんとかなりますよ!』
槇寿郎「楽観的過ぎるだろうお前!?
少しは危機感をだな…!」

杏寿郎(父上が…!)
千寿郎(ど、どうしたんでしょうか兄上…?)

まさか、こっそりと息子達が私達の会話を聞いていた等槇寿郎殿は気付いておられぬ様である。

おかしな女(槇寿郎視点)→←継子



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作者名:綺羅 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225  
作成日時:2022年12月1日 21時

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