子守唄 ページ19
しかしなかなかユリ殿は泣き止まず、ウズイ殿は困り果てていた…
仕方が無いのは解るが、早く安全であるかを確認しに行きたいのだろう。
幼い頃、真っ暗な夜が怖くてよく泣いていた私を母上がいつも宥めてくれていたっけ…
あの時にしてくれた事…
そう考えていたら無意識に歌い出していた。
母上がよく歌ってくれた、
泣き声が辺りを包んでいた中、私の歌う
ウズイ殿やコチョウ殿は驚いて私を見ていたが、そんな事はお構い無しだ。
ユリ殿は幼い頃の私。
ならば母上がしてくれた事をすれば落ち着いてくれるのではないかと思ったから…
するとユリ殿の泣き声は徐々に小さくなり始める。
それに気付いたウズイ殿は同じ感覚で背を優しく叩く。
それからは泣き疲れたのか、すとんとユリ殿はウズイ殿の腕の中で寝てしまった…
歌うのを止めようとしたけれど、小声でウズイ殿に「もう少し頼む」と言われたのでそのまま歌う事に。
蜜璃「…初めて聞く歌ね？子守唄…なのかしら？」
こそっとコチョウ殿に話しかけているカンロジ殿。
こちらでは歌われていないのだろうか？
そのコチョウ殿も「私も初めて聴きました」との事。
…住んでいた世界が違うのであれば、それは当然の事かと歌いながら思う。
今はユリ殿が良い夢を見られるように、今の自分に出来ることをしよう。
実弥「…初めて聴くが、悪くねェ歌だな…」
無一郎「僕はこの歌好きだよ？なんだか暖かく感じるから」
義勇「…………」
トミオカ殿は家の壁に背を預けて聴いているみたいだ。
正直少し気恥ずかしい気もするけれど…
ユリ殿の為だ。
するとウズイ殿がカンロジ殿にユリ殿を預け、私に向かって親指を立てる。
小声で「良くやった！」との事。
少しは役に立てた様でなによりだと、歌う事を止めて胸を撫で下ろす。
無一郎「え？もうやめちゃうの？僕もっと聞きたい」
悲鳴嶼「時透…」
煉󠄁獄「うむ、良い歌だった！子守唄なのだろうか？」
コモリウタ？
『えっと…私が居た所では
幼き頃に夜が怖くて泣いていると、母上が歌ってくれていたのですが…』
蜜璃「あら！なら子守唄で合ってるわ！！良かったら今度教えて…」
宇髄「馬鹿！起きるだろうが！」(小声)
蜜璃「ごめんなさい…」
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作者名：綺羅 | 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225
作成日時：2022年12月1日 21時
