翼の剣士【うたわれるもの✕鬼滅】 (ページ18)

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優しい人ページ18

言い出したのは私、ならば私が少女の父だった存在を倒す…！

そう、覚悟を決めてせめて一太刀でと構えた瞬間、背後から「俺がやる」との声。

振り向くと既に姿は無く、一瞬で間合いを詰めて…

私がやらなくてはならないのに、こんな嫌な役目を他の方にさせるなどと止めようとしたら、ウズイ殿が私の肩を掴んで引き留めた。

『何故ですか！？』

実弥「いや、今回はアイツの方がいい、水の呼吸にはこうゆう時に使える技があるからなァ…」

シナズガワ殿まで…？

義勇「水の呼吸、伍ノ型干天の慈雨」

そこだけ、何故か暖かな優しい雨が降っている様に見えた…
なんなのだろう、この技は…
少女の父だった者は頸を斬られていたが、痛みを感じている様には全く見えない。
はらはらと塵になり消え行くその時に少しだけ正気を取り戻したのか、少女を見て涙を流しながら

「百合…どうか…幸せ…に…」

そう言って消えて行った…

それを聞いた少女…ユリ殿はウズイ殿の腕の中でわんわんと泣いていた。
ウズイ殿は少女の背を優しく、同じ間隔でとんとんと叩いて少女を見あやしてくれていた。

『……すみません、嫌な役をやらせてしまいました…』

刀を納めたトミオカ殿へ頭を下げる。

義勇「…適材適所だ」

それだけ言って外へ行ってしまった。

あの方は、とても優しいのだろう。
何故かそう思ってトミオカ殿の背中を見送る。

実弥「…しかし、よく無事だったなァ…」

頭を掻きながらシナズガワ殿が言うが、確かによく無事でいられたものだ。
パッと見て外傷は無い。
室内はウズイ殿の爆発物のせいで色々散乱しているが…

宇髄「…コレだよ」

摘んでこちらに見せたのは藤の花。
…確か、トキトウ殿が渡していた…
本当に御守りになったのか…

藤の花や香りが苦手というのは本当なのだと実感する。

しのぶ「怪我はしてないみたいですね、この家では…すみません甘露寺さん、甘露寺さんの家で１日彼女を預かっていただけませんか？」

コチョウ殿の言う事も尤もだ。

夜はまだこれから…

ユリ殿独りこの場に置くのはしのびない。

それに、まだオニがいるかもしれない…

蜜璃「解ったわ！オウカちゃんも一緒に来てくれる？」

オニ探しをしようと思ったが…
彼女ひとりでは流石にか、なら、オニ探しは他の方にお任せしよう。

『解りました、まだ山を捜索されるのですよね？
…すみませんが、宜しくお願い致します』

私は捜索に向かう方々へ頭を下げた。