好きです、先輩。【黒尾鉄朗】 (ページ2)

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『…うっ……いやっ…』

2年生になって数日、1年間耐えてきた通勤ラッシュがキツくて、それを避けるために早く乗った電車

逆に人がおらず真横に座ったサラリーマンが、私の太腿に手を沿わせる

男「……」

徐々にスカートの中に伸びていく手

正面に座るサラリーマンも私になんて声をかけてくれない

ギュッとスカートとカバンを握り下を向くことしか出来ない

「おじさーん、なに、してるの？」

聞いたことのある、男の人の声

「その手1回離そうか」

驚く程の笑顔でおじさんの手首を握り、私の身体から遠ざける彼

「山本と仲良くて、研磨のクラスの子でしょ？

いつもこんな時間に乗ってたっけ？」

『っ……先輩…！！』

顔見知り程度の彼の顔を見て安堵からか涙が溢れる

「あっ…えっと…怖かったよなぁ…」

泣き出した私を見て、困ったように空いている手で頭を搔く先輩

「とりあえず、無事でよかった」

今度は私の頭に手を置いて優しく、割れ物を扱うように撫でてくれる

『んぁっ…せんっぱい……』

極度の緊張から解放され、そのまま意識を手放した

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