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午後3時頃に家でボーッとしながら遅めの昼食を摂る。
甘いものそんなに好きじゃないのに手には、生クリームが沢山塗りたくられたパンでフルーツを挟むフルーツサンド。
なんでこんなの買ったんだっけ。
すごい胃にくるやつだ、重たいな。
「あーそっか」
思い出した。彼にオススメされたからだ。甘党でスイーツが大好きな彼に。
そんなこと思い出して無意識にこんなもの買っちゃう私単純すぎないか?
クスッという笑い声が虚しく部屋に響いた。
別に彼が好きな訳でもないのに。
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バイトに行く前、着替えていると机の上に置いていたスマホがブーブーと震えた。
ため息混じりにそれを手に取る。
『今日行く』
表示された文字は予想通り彼からので。彼が来る時は必ず決まって黒の服しか着ていかない。
白いブラウスを着ていた私はそれを脱いでハンガーに掛け直すと今日の疲れがドッと来た気がした。
今日も彼に会わないといけない。
言葉では表せないなんとも言えない気持ち。とにかく無理に閉じ込めて家を出た。
既に18時過ぎ。バイト先へ行くのには30分以上かかるのに今日の私には短すぎる道のりだった。
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作者名:水素 | 作成日時:2020年4月29日 14時