９４． ページ45
「……五歳の子どもは、こんなこと、しないだろうが……」
顔をまっかにしながら、不機嫌そうな顔でそういうグルッペンに、俺はなんというか、胸がいっぱいというか、トキメキでいっぱいというか、俺の語彙ではとうていいい表せないような複雑で有頂天な気持ちになってしまい、もうこうなったらこの場で抱きしめるしかねえ！ と思ってグルッペンのことを抱きしめようとしたら、器用にかわされた。全力でアタックしに行ったので、受け止めてくれるグルッペンがいない俺はそのまま地面に激突する。
「なんで！！」
「ちんたらするな。行きたい場所があるんだ。さっさと立て、歩け」
「えー、そんなん今ききましたけど！ どこ行くの？」
「お前もよく知ってるところだ。……いや、もしかしたら忘れてしまってるかもしれんが」
「…………？」
そうはいうものの、目的地に心当たりがない俺はイマイチ要領を得ないまま唯々諾々とグルッペンのあとをついていく。だが、その疑問はすぐに解消されることになった。……歩いているうちに、どんどん既視感が募っていく。この道は知っている。忘れようもない、あの日、あのとき、お前とふたりで歩いた道だ。
たどりついたのは、俺たちがはじめてちゃんと話した日におとずれた、あのタピオカ屋だった。
「…………」
なんとなく気まずい上に照れくさくて、だらしなくにやけたままタピオカ屋の看板をみあげる俺にかまわず、グルッペンがごほん！ と咳払いをしていう。
「ここには、お前の食べられるような甘くないメニューなんかないが。今日ばっかりはつき合ってもらうぞ。……いいだろ？」
ほのかに赤らんだ顔で、そういいきったグルッペンに、俺はいよいよしてやられたな、と思う。まいった。これは前にもいった気がするが、俺はこういう直球に心底弱いんだ。
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エス(プロフ) - あわさん» すごくうれしいですありがとうございます……！文だけでなく、grpn以外のキャラクター、オリキャラたちまでお褒めいただいてすごくありがたいです。私が書き出したかった青春の空気感が伝わったようで、すごくうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 腐女神だぜ☆さん» うれしいご感想ありがとうございます！書きたいものを書きたいように書いた作品でそういっていただけるのはなによりの励みです！読んでくださってありがとうございました！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - スラカさん» ご感想ありがとうございます！！書き手の私の「grpnかわいい〜」という気持ちがあまさず伝わったようでうれしいです笑 読んでいただいてありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - るーかさん» ご感想ありがとうございます！そうですね、そういうことへのきっかけにもなれていたらこれ以上はないです！同性愛のテーマも案外普遍的で、どこにでもあるんだよということが伝わっていたらうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 倉の中の石さん» すごくありがたいご感想ありがとうございます！その気持ちが一回ぶん以上の評価として私の胸に届きました……！ありがとうございます！のたうちまわらせることができて狙い通りって感じです……（へへ…）ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月21日 23時
