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──俺がそういったとたん、グルッペンが勢いよく、俺のからだに抱きついてきた。グルッペンのからだは小きざみにふるえていた。押し寄せる感情に、倒れこんでしまうことがないように、必死に耐えているようにみえた。
「俺もそうだった」
「…………」
「似たような……もんだ。恋も愛も、女も男も信用してなかった。みんな、少し関わりを持っただけで俺に興味を持つ。少し話しただけなのに、おぞましいほどの執着と独占欲を向けられて、それをおそろしく感じたことも一度や二度じゃない」
「…………」
「誰かを好きになったことなんかなかった。誰かを特別に思うことも。そんなこと、俺には一生ありえないと思ってたんだ。……お前と出会うまで」
グルッペンはそういって、俺の胸に押しつけていた顔を上げ、俺をみる。……いつだったか、こんなふうに、信じられないくらい近い距離で、お前とじゃれ合っていたことがあったな。文化祭の準備をしていたときだ。あのとき、お前はメイド服を着て、ああいや、それは俺もだったか。お前は人形みたいにかわいくて、きれいで……。
そのときとは違う、不自然な高揚と、動揺とが、胸中でないまぜになっていた。
「俺もお前が好きだ……」
グルッペンが、まるで泣き出しそうににじんだ声でそういった。
「だから……、お前が俺のことを、好きだと、特別だと思う気持ちを、うれしく思ったんだ。俺も、自分のこの気持ちがなんなのかわからない。わからないけど、俺はお前が、俺と同じように思ってくれていたことを、うれしいと思うんだ……」
「…………」
「それだけじゃ……だめか……。今は……」
グルッペンはそういって、ふたたび俺の胸に顔を押しつける。
俺は、そんなグルッペンをみて、やられた、と思う。今にも泣き出しそうなこの男を、拒絶して突き放すことなんか、俺にできるわけがなかった。
グルッペンの背中に腕をまわして、抱きとめる。
「お前、強いよな」
「……どこが」
「俺さ、……臆病でバカだからさ。お前みたいに、単純に考えるのがヘタなんだよな。たぶん。いつまでも怯えて、割りきるのがヘタで……」
「…………」
「……お前、しんどくないか？ 俺がさ……、お前のこと、好きとかいうの」
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エス(プロフ) - あわさん» すごくうれしいですありがとうございます……！文だけでなく、grpn以外のキャラクター、オリキャラたちまでお褒めいただいてすごくありがたいです。私が書き出したかった青春の空気感が伝わったようで、すごくうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 腐女神だぜ☆さん» うれしいご感想ありがとうございます！書きたいものを書きたいように書いた作品でそういっていただけるのはなによりの励みです！読んでくださってありがとうございました！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - スラカさん» ご感想ありがとうございます！！書き手の私の「grpnかわいい〜」という気持ちがあまさず伝わったようでうれしいです笑 読んでいただいてありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - るーかさん» ご感想ありがとうございます！そうですね、そういうことへのきっかけにもなれていたらこれ以上はないです！同性愛のテーマも案外普遍的で、どこにでもあるんだよということが伝わっていたらうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 倉の中の石さん» すごくありがたいご感想ありがとうございます！その気持ちが一回ぶん以上の評価として私の胸に届きました……！ありがとうございます！のたうちまわらせることができて狙い通りって感じです……（へへ…）ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月21日 23時
