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俺がなにもできず、うろたえているうちに、いよいよ本気でしゃくり上げて泣き出したグルッペンに、俺はとうとう途方に暮れる。怒りも悲しみも一瞬でどこかへ吹き飛んでしまった。こいつが泣いている。俺の前で、……俺のせいで。俺はとんでもない罪を犯してしまったのではないかという気持ちになってくる。
宝物に等しいこいつのことを、こんなふうに泣かせてしまった。それは、どんな罰でもつぐなえないような大罪であるのではないかという気がする。
思わず肩に手をまわそうとして、その手をバシン！ と勢いよくはたき落とされる。触るな、という明確な拒絶に、俺は本気で打ちのめされてしまう。ショックを受けて呆然と立ちすくむ俺は、なにか調子のいい言葉をかけることもできず、ただ突っ立っていることしかできない。
思えば、グルッペンに触れることを、こんなふうにはっきりと拒絶されたことは今までになかった。そのこともますます俺を打ちのめした。俺は本気で、こいつの、地雷中の地雷を踏んでしまったのではないのだろうか……。
そこまで考えて、顔面蒼白になっていた俺に、……グルッペンがいきなり激突してきた。
ショックで全身脱力していたため、ろくに受け身を取ることもできず、俺はそのまま押し倒される。コンクリートの地面にダイレクトに倒れこむというのは、かなりの痛みがともなうことだというのを俺ははじめて知った。いくら俺でも、そこまでの無茶をしたことはない。痛みのショックで混乱して、反射的に「痛ェ──！！」と絶叫してしまう。
「お、お前っ……」
「お前は、バカだっ！！」
地面に押し倒された俺に馬乗りになったまま、唐突にそう叫んだグルッペンに、俺はあっけに取られてしまう。グルッペンは、今もなお泣いていた。泣きながらそう叫んでいた。
「……な、なに……」
コンクリートに打ちつけられて全身痛いし、グルッペンは泣いてるし、押し倒されてるし唐突に罵られたし、いったいこれはなんなんだ、どういうことなんだという混乱に制圧され、俺はもはやなにもいえない。
「そんで……俺もバカだ……」
グルッペンはそういって、うつむいてしまう。細かくしゃくり上げながら苦しげにそういうグルッペンが、なんだか急にあわれに思えて、放っておけないとも思って、俺は痛む上半身を起こし、グルッペンと向き合う。
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エス(プロフ) - あわさん» すごくうれしいですありがとうございます……！文だけでなく、grpn以外のキャラクター、オリキャラたちまでお褒めいただいてすごくありがたいです。私が書き出したかった青春の空気感が伝わったようで、すごくうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 腐女神だぜ☆さん» うれしいご感想ありがとうございます！書きたいものを書きたいように書いた作品でそういっていただけるのはなによりの励みです！読んでくださってありがとうございました！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - スラカさん» ご感想ありがとうございます！！書き手の私の「grpnかわいい〜」という気持ちがあまさず伝わったようでうれしいです笑 読んでいただいてありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - るーかさん» ご感想ありがとうございます！そうですね、そういうことへのきっかけにもなれていたらこれ以上はないです！同性愛のテーマも案外普遍的で、どこにでもあるんだよということが伝わっていたらうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 倉の中の石さん» すごくありがたいご感想ありがとうございます！その気持ちが一回ぶん以上の評価として私の胸に届きました……！ありがとうございます！のたうちまわらせることができて狙い通りって感じです……（へへ…）ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月21日 23時
