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グルッペンをみる。あたりの竹をみまわしながら、いつになく目をかがやかせて、陶然としている。感動しているのだろうなということが、その表情でわかった。緊張も、取り繕いもない。俺の嫌いなつくり笑いでもない。誰かのために装った顔でなく、ただ、みたいものをみて、うつくしいものをうつくしいと感じ、まっすぐに感動している。
俺が好きな顔だ。俺の一番の、宝物。
「……きれいだな」
俺がそういうと、グルッペンははっとしてこちらを振り向いた。よっぽど夢中だったのか、俺に対しての反応がいつもより遅い。グルッペンはちょっと照れくさそうにしながら、「ほんとだな」といった。
「いや……そうじゃなくて」
「は？ 景色のことだろ？ A、俺は感動してるぞ。なんていうか、いろいろみてまわるのとか、別に興味もなかったんだけどな。こういう景色は悪くない。いいもんだ」
「あたりもきれいだけど、俺がいいたいのは……、お前がきれいだなって」
夢中でそう語るグルッペンに俺がすかさずそういうと、グルッペンはしばらく呆けた顔をして、それから不自然に、俺から顔をそらした。
「……なにを……」
そういって、俺に顔をみせないように、景色もみずにうつむいたまま歩を進めようとするグルッペンの隣に並んで、俺は上半身をかがめ、ささやく。
「手つないでいい？」
「ばっ……」
俺がそうささやいた瞬間、グルッペンは勢いよくこちらを振りあおいだ。顔が、まっかだ。こんな顔、いつかどこかでみたな。夏……だったような気がする。俺たちは校庭にいて……、そうだ、体育祭のときだ。あのときも、俺のちょっとしたひとことで、グルッペンは顔をまっかにしていたんだっけな。
顔を赤くしているグルッペンのことを、かわいいな、と思う。今は、素直にそう思うことができた。
「なにいってるんだお前」
「誰もみてない。俺たちみたいに自由時間全部つかってまで、こんな遠いとこ来るバカほかにいねーよ。まわりみてみろ。同じ制服、ひとりもいないぞ」
俺はあらかじめそのことを確認していた。いつもより素直になれるのは、それをわかっているからかもしれない。あたり一面竹に囲われていて、奇妙な閉塞感があるというのに、不思議と開放感があった。誰も俺たちのことなんかみていない。誰も俺たちのことを知らない。縁もゆかりもない、みしらぬ土地だからこそ、素直に口に出せることや、認められる気持ちがある。
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
