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「非行防止だろう。特にうちのクラスは悪だくみに定評のある人間が多いからな」

グルッペンは皮肉っぽくそういって、俺をちらりと盗みみる。小泉は俺たちの目くばせをみて、「くっそー」と不満そうにうなった。

「多いってほどいねーよ。要は俺たちは、お前らふたりの割を食うかたちになったわけだ。……いやまあ、それだけじゃないのはわかってるが」

体育祭の前科がある俺たちは、それ以上なにもいえない。担任のいいぶりからして、俺たちの悪だくみがルール策定の直接の原因というわけではないことはあきらかだったが、あれがまったくの無関係だったわけでもないだろう。俺たちふたりは特に、表立って目をつけられているわけではないものの、教師連中には基本、「なにを仕出かすかわからない生徒たち」という目でみられている。

「とりあえず俺は、あっちの野球部のグループに入れてもらうことにするわ。……おーい、中田ー」

小泉はそういって輪から抜けていく。あいつもあいつで部活のつながりがあるから、そう心配はいらないのだった。問題は俺とグルッペンだ。
体育祭以降、なにかとセット扱いで、ほかのグループのやつらと交流する機会もめっきり減っていた俺たちは、誰に声をかければいいか見当もつかない。いや、適当に声をかけること自体はいいが、二泊三日の旅行中、二晩をともに過ごすことになるメンバーを適当に選出しろといわれても、なかなかに難しい。特に男子連中は、積極的に俺たちをからかいの的にするやつが多いので、なにかと悩んでしまうわけだ。

「あ、下山ー」

そんなことを考えながらぼけっとしていたら、ふと声がかかった。確かサッカー部の……、名前は忘れたが、それなりに目立つやつだ。最初、グルッペンとつるむようになるまでの短いあいだ、同じグループにいたので、それなりに面識はあるはずなのだが、名前だけをすっかり忘れてしまった。

「せっかくだから宿泊班一緒にしねえ? 俺たちもメンバーどうしよって迷っててさー。お前らもどうせ決まってないだろ?」

41.→←39. ──第四章 修学旅行編 Aパート



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作品ジャンル:恋愛
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……(真顔)。ありがとうございます!続編もよかったらよろしくお願いいたします! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます><www高校生らしいお話書けていたらいいな!と思うので天使といっていただけてうれしいです!高校生って天使のようなかわいさ! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます!wwwしかと受け止めました!! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます!!grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……!続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます! (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エス | 作成日時:2019年10月20日 2時

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