３３． ページ34
そういってグルッペンは、いかにも辟易しましたという感じで頭に手を当ててため息をついた。俺がとんでもないゲテモノになってしまったというのに、着替えてメイクをしただけで魔法みたいな変身を遂げてしまったグルッペンに対して、どう接すればいいのかわからない。グルッペン相手にうまく話せないなんてことがあるなんて、思いもしなかった。いや、今のこいつはある意味グルッペンではないから、別に問題はないのか……？ いやしかし、女装しているとはいえ中身はグルッペンなわけだし……。
「……いやー、なんか……。ほんとにかわいいな。これ」
いつになく慎重に、言葉を選んで俺がそういうと、グルッペンは「これっていうな」と怒り調子でこたえた。そうやっていつもみたいにツッコまれると、俺もいつもの調子を取り戻せる気がする。近くでほかのメイドのめんどうをみていた女子、西田がすかさず寄ってきて、「あたしがめちゃくちゃ気合い入れてメイクしたからね！」と自慢げにした。
「おーよくやった！ 褒めてつかわしてやる」
「メイドなのに偉そうだね、あんた……」
「メイドだけど偉いの！ 実行委員だから！ ホレホレどっか行け！ 白石が待ってるぞ！」
西田がちょうど手がけていた白石──あいつもタッパがなく、くわえてジャンケンが弱すぎたため、運悪くメイドに選出されてしまったあわれな男である──のところに戻りながら、「出たヤキモチ！」とからかいを飛ばしてくる。「なにがヤキモチだ！」、そう叫びかえすものの、西田も白石もニヤニヤと含み笑いをするだけで、それ以上はやりかえしてこない。あーあ、これだ、この感じ。たまに感じる、腫れもの扱い。っていうか……なんなんだろうな、これ？ たまに妙な感じでからかわれるんだ、こうやって。
グルッペンのほうに向きなおって、うつくしい人形をまじまじとみる。俺の視線があまりに不躾だったせいか、グルッペンは心なしか居心地悪そうにしていた。
「それ以上褒めなくていいぞ」
グルッペンはそういって、すかさず先手を打ってくる。おっしゃる通り、ちょうどこれから、思いつく限りの褒め言葉を並べようとしていたところだったので、俺はむかっと来る。
「なんでだよ。褒めさせろよ」
「ダメだ」
「なんでダメなんだよ！ 褒めるだけだぞ！？ いいだろ別に！」
「ダメなもんはダメだ」
「だからなんでって！！」
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
