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「文化祭だ──!!」

バイト地獄の夏休みが終わり、懐もかなりあったかくなったところで、修学旅行の前に大事な大事な一大イベント、文化祭があるのだった。
なぜそんなにも大事なのかというと、なにを隠そう俺は文化祭実行委員なのである。文化祭実行委員というのは便利な委員会で、ほかの委員会と違って、文化祭をやるまでの一、二ヶ月間しか働かなくていい。その代わり仕事があるあいだはバイトも部活もしている暇がないほど忙しいのだが、俺はもともと文化祭という忙しいイベントが大好きなので、全然苦ではなかった。まとまった金は夏休みで稼ぎ切っているし、文化祭当日までの少しのあいだバイトを減らしたところでたいした問題はない。つまり、俺の独壇場ってワケだ。

「というわけでぇ、我らが1-Aは執事・メイド喫茶をしまーす!!」
「バカなのか──!!」

俺が壇上で高らかにそう宣言した瞬間、まわりの歓声を意にも介さずグルッペンの絶叫が俺の鼓膜にダイレクトアタックしてきたが、そんなもんは気にしない。
なぜたかが執事・メイド喫茶に決定したというだけでこんなにもグルッペンが激昂しているのかというと、これがただの執事・メイド喫茶ではないからだ。
ここまでいえばその実態は誰にでも察しがつくだろう。お察しの通り、女が執事で、男がメイドをやる喫茶店だからである!

「なんか怒ってる人もいますけど、やるったらやりまーす! みんなもグルッペンのメイド服がみたいよねー!!」

みたーい! と叫ぶ女子にうんうんそうだよねー! と答える俺。文句タラタラの男子どもが「みたいのお前だけだろ!」と叫んでいるのがきこえるが、んなもんはシカトである。こういうとき男子の支持はたいして重要じゃない。なぜなら準備に精を出すのは男子より断然女子だからだ。つまり、女子の支持をより多く得たほうが強いのである。ちなみに俺はおもしろければどんな出しものでもいい。ただ、せっかくグルッペンみたいなやつがいるんだから、どうせならそれを存分に活かしたものをやりたいと思うだけだ。

「ま、俺は実行委員だからいろいろ忙しいし、女装はみんなにまかせるよ! みんながかわいく変身するのを楽しみに待ってるぜ!」
「なにいってんの下山、あんたも女の子になるんだよ」
「え? 俺、実行委員だよ?」
「んなの関係ねーっつのお前も女装するんだよ!」
「ああー! そんなご無体なー!」

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作品ジャンル:恋愛
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……(真顔)。ありがとうございます!続編もよかったらよろしくお願いいたします! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます><www高校生らしいお話書けていたらいいな!と思うので天使といっていただけてうれしいです!高校生って天使のようなかわいさ! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます!wwwしかと受け止めました!! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます!!grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……!続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします! (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます! (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エス | 作成日時:2019年10月20日 2時

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