No.20 ページ21
『そうか…何かわかったことはあったか？』
｢！？｣
驚いてルイの方を見る。
フードで目元は見えなかったが、その口は笑っているようにも見えた。
『今この街に滞在している億超えルーキーが、この手配書について知りたがっていたらしい』
｢チッ…知ってたくせに聞くな。あの男、次会ったらバラす｣
こいつは常に俺の1歩先を行く。
まるでこちらの考えがわかるかのように。
(こっちの考えることは筒抜けってことか…)
俺が単独行動をした時点で、ルイにはすべてお見通しだったってことかよ。
(しかも、得られた情報は…)
｢この女については…何もない｣
｢…なんだと？｣
｢何もないんだよ。わかっていることが｣
｢てめぇ、この場でバラされてぇのか？俺は金は支払った｣
｢落ち着けよ死の外科医さん。"一切有力な情報がない"のが、この女の唯一の情報だ｣
｢…どういう事だ？｣
｢もちろん、この女のことについては俺も調べたさ。大きな金になるのは間違いないからな。だけど、何もでてこなかった｣
｢……｣
｢5億だぞ。5億。それなのにどっかの街を潰しただの、人を殺しただの、略奪しただの、なんの情報もでてこなかった。そんな極悪人でもないような奴に、いきなりこんな額をつけるなんて、どう考えでもおかしい｣
｢つまり、その女が持つ何かがそれだけの価値があると？｣
｢あくまで憶測にすぎない。何か財宝を持っているのか、この女自身にその価値があるのか…こんな賞金首は初めてだ。なにより驚いたのが…｣
｢…なんだ？｣
｢人間は誰しも、生まれながらに情報がある。出生、生育、故郷、生き様…俺が調べれば何かしら情報があがってきた。なのにこの女はそれがない。まるで、生まれたこと自体を抹消されているような…｣
｢……｣
｢悪いことは言わねぇ。この女には近づかねぇことだ。裏にどデカい何かがある｣
｢残念だが…｣
もう手遅れだ。
それは時すでに遅し
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きのこ(プロフ) - すごく面白くてびっくりしました！ストーリーの面白さとキャラの良さが際立ってます！！また無理なさらない程度に更新してくださるとうれしいです^ ^ (2020年5月12日 21時) (
レス) id: 2f2822d021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒカリ | 作成日時：2020年3月8日 2時
