3話 変な噂の段 ページ6
「そういえば今日変な噂を聞いたんだけどさぁ」
その日の夕食後
Aと五年生が食堂の後片付けを手伝っていたとき、勘右衛門が切り出した。
『変な噂?』
Aは動かしていた手を止めて勘右衛門に尋ねた。
他の五年生も同様に耳を傾ける。
「うちの組のやつが話していたんだが、なんでも風呂場に幽霊が出たって言うんだ」
「あぁ、その話俺も聞いたよ勘右衛門」
勘右衛門の言葉を聞いて、久々知も話に加わる。
竹谷は「本当か兵助」と聞き返す。
雷蔵は「でもそれってただの見間違いなんじゃ…」と呟き
三郎は雷蔵の隣で腕を組み、「雷蔵の言う通りだ」と言いたげに頷く。
『えっとー……』
おずおずとAが話に加わる。
五年生が振り向くとAは気まずそうに目を逸らしながら頭をかき、口を開いた。
『それ、たぶん私だ』
「あは…」と苦笑いを浮かべる。
五人は、ぱち、ぱち、と目を瞬かせ
「なぁんだ(名前か)」
「脅かさないでくれよ」
と、口々に言い解散しようとした。
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「「「「「えぇぇっ!?!?!?」」」」」
『しっ、声がでかい!』
驚愕し声をあげながら詰め寄る五人を慌てて静めるが、五人はそれどころでは無い。
「どういうことだ!?」
「見られたのか!!」
「えぇと、ええと、つまりどういうこと??」
「勘ちゃん、あいつの部屋ってどこだっけ」
「西側から3番目」
『ちゃんと説明するから、一旦落ち着いてくれ。
い組も早まるな…っ、戻って こ!いっ!』
砲弾の如く問いを浴びせる竹谷、三郎と混乱する雷蔵をなだめ
万力鎖と寸鉄を回しながら食堂から出る勘右衛門と久々知をズルズルと引きずり戻す。
五人が落ち着いたところでAはことの詳細を話し始めた。
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作者名:かなた | 作成日時:2024年1月18日 20時