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そうこうしているうちに兵助が湯豆腐定食を作って帰ってきた。


『ん、ありがとう』

「今日は湯豆腐本来の美味しさを引き立たせるためにいつもよりいい豆腐使っているんだ。後でぜひ感想を聞かせてくれ」

『ふ、分かったよ』


兵助から湯豆腐定食を受け取り席に向かおうと進行方向を変えたその時


同学年の制服を着た2人がこちらに向かって勢いよく走ってきた。




ぶつかる…っ




そう頭に過ぎった時には既に2人は目前にまで迫っていた。

咄嗟に避けようと身体を捻じる。

が、勢い余って後ろによろけてしまった。



まずい、このままでは湯豆腐が顔面に…!



湯豆腐塗れになって床に倒れる己の未来を覚悟してぐっと目をつぶり来たる衝撃に備えた。





しかし、私が感じたのは床に打ち付けられる衝撃でも湯豆腐の熱さでもなかった。



ぽすっ、と、ぶ厚い何かに背中を受け止められた。



湯豆腐が乗ったお盆はしっかり自分の手にあり、さらにその上から手が添えられ支えられている。



がっしりとした太い手首に、私の手を簡単に包み込んでしまう大きな手。

手のひらに残った豆の痕がチクチクと手の甲に当たる。


誰なのかすぐに検討がついた。




『八左ヱ門…』

「大丈夫か?おいお前らーっ!気をつけろー!」


すっと眉を下げ、そう私に尋ねるや否や、八左ヱ門は食堂の入口に向かって声をあげた。


「すまん西川!竹谷!急いでるんだ」

「悪ぃっ!」


廊下から先程の同級生の声が聞こえ、徐々に遠のいて行った。

「ったくあいつら…」と八左ヱ門が小さく舌打ちをする。


『八左ヱ門、ありがとう。助かったよ』

「お、おう」

「それでさ、」


ちらり、周りの様子を伺う


『そろそろ離してくれないか。流石にもう自力で立てる』


八左ヱ門は私にそう言われると一瞬間を置いて「あっ」と声を漏らした。


「あ、あぁ〜〜〜っそうだな!悪い!」


両手を上げ、目を泳がせながら弾かれたように離れる。

何もそこまで大袈裟に離れなくても…。


まぁいいか。湯豆腐も無事だったことだ。

私も早く席に着いて食べるか。




先程から離れた席から勘右衛門が意味ありげに笑いながらこちらを見ていたので後で理由を聞いたら「別にぃ〜」とはぐらかされた

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作者名:かなた | 作成日時:2024年1月18日 20時

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