2話 朝食の段 ページ3
朝食を食べに食堂へ向かうと、入口で青色の制服がたむろっていた。
『おはよう雷蔵、三郎。あと勘右衛門』
「「おはよー、A」」
口の動きまでどんぴしゃに合わせてユニゾンを形成する雷蔵と三郎。
「俺はついでか〜?」
唇を尖らせる勘右衛門。
八左ヱ門と兵助はまだ来ていないようだ。
さて、今日の朝食はなんだろう。
壁に貼られたメニュー表を見る。
A 豆腐ステーキ定食
B 湯豆腐定食
『ん??』
おかしい、寝ぼけているのかな。メニュー表を凝視する。
A 豆腐ステーキ定食
B 湯豆腐定食
『なぜどっちも豆腐……!?』
「勘右衛門〜!お待たせ、豆腐ステーキ定食なのだ。あっ、おはようA。実は今日食堂のおばちゃんが朝から留守にされていて、代わりに俺が食堂を任されたんだ。さぁA定食とB定食どっちにする??」
厨房から忙しなく現れた兵助は注文口から前のめりに乗り出し、キラキラと顔を輝かせた。
勘右衛門に目をやれば「そういうことだから、さ」と言いたげに苦笑をした。
『そうだな…じゃあ湯豆腐定食いただこうかな』
「了解っ」
そう言うなり兵助はるんるんとステップを踏みながら厨房の奥へと消えた。
やれやれ、あの調子だと昼も夜も豆腐料理になりそうだな。
まぁ、兵助の豆腐料理は美味しいから「適度な量」さえ守ってくれればそれでいいのだけど。
『お前たちは注文しないのか?』
「うーん、A定食にするかB定食にするか…どっちも美味しそうだから迷っちゃって…」
「無論私は雷蔵と同じにする」
『そうか』
相変わらず仲が良い事で。
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作者名:かなた | 作成日時:2024年1月18日 20時