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必要最低限の生活やルーティンを覚えるくらいこの部屋に慣れた拓海くんは、私のお気に入りのコップに水を入れテーブルに置き、ソファ代わりのベッドへ座らせてくれた。
「……嫌な思いさせて、すみません」
拙い言葉で数時間前の事をようやく話せた私に、隣に座る拓海くんは視線をカーペットのまま呟く。
「ううん、…謝るのは私の方。……我儘言って、ごめんね。」
やっと伝えられた一言に、拓海くんが顔を上げた。
長い睫毛の下、色素の薄いブラウンの瞳が惑っている。拓海くんの方が、本意ないような、悲しいような、戸惑う顔に胸が痛む。
私の為に言葉を迷わせて、これから行動を縛ってしまうと感じ、やるせなさに目を伏せた。
秒針の刻む音がいやに近く聞こえて、こくりと小さく喉が動く。
「……困らせて、ごめん」
触れそうで触れない手。振り払われるのが怖くて彼の服すらつかめない指先が、伸びかけてやめる。
縮こめた手が空を握る前に、手首を引き寄せられ思わず顔を上げた。
「…我儘じゃないですよ」
私から逸らした瞳はさっきより迷いがなくて、今にも泣きそうな私を見てか少し表情が和らぐ。
ふっと息をついて、頬にかかる髪をよけ包む手。
手も指先も細いのに骨ばっていて、自分と違う温もりを持つ手に触れられれば心はとくりと音を立てる。
「…んな思いつめた顔しないでください。怒ってませんから」
輪郭をなぞるように指の背が頬を撫でて、離れた手がそれぞれ控えめに私の腰へ触れた。
こっち来ましょう、と小さく呟く声に疑問を伝える前に軽く持ち上げられるものだから、単語にも満たない声が零れ落ちる。
え、あ、と相変わらず拙い語彙を思い起こせないまま、あれよあれよと言う間に私を抱き上げ膝に乗せた。
行き場のなくした手を胸元に添え見上げると、私の頬を包み込み見つめる拓海くん。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜！！ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい！！！！やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります！ (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…！お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年9月29日 15時
