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背に手を回し、胸元に顔をうずめる。
確かな温もりに、布を手繰り寄せる指先は力が籠った。
「………私が、私がいちばん、…拓海くんのこと好きだもん」
「っ、…！？」
「拓海くんの頑張りも、凄いとこも、みんなに知ってほしいのに、……でも、他の女の子が拓海くんを好きになるのは嫌なの。触られるのも嫌…。」
堰を切ったように溢れる感情に流されて、我儘ばかりが押し寄せうまく言葉を選べなかった。
くぐもった声が濡れて、喉がつまって痛くて、苦しくて、我慢していた涙が溢れ頬を伝う。
「拓海くんは、…私の、…私だけの、彼氏なの、…」
それでも、黙ったままの拓海くんが私の背へ触れてくれたから、一度零れた本音は止まらない。
子供みたいと呆れられるかもしれないのに、自分の中で消化すべきことなのに、拓海くんの事になると、はじめてもおわりも私が良くてたまらない。
「………私だけ見てて、…。」
たわむ服を握りこんで、俯いたまま泣いてしまう。
支える様に触れていた手が後頭部へ上がり、髪を撫でつけた。
「最初からずっと、…Aさんしか見てませんよ」
落ち着かせるように、まるで赤ちゃんを寝かしつけるように大きな手がぽんぽんとゆったり時を刻むから、反対に涙は止まりそうもない。
「…嘘だ、ぁ」
「嘘じゃないです。」
「っ……めんどくさくて、ごめん、…」
「面倒じゃないですよ」
「…嘘」
「ほんとです。…むしろ可愛いです」
「ぅ、…ぇ、……んぇ！？」
髪を撫でていた手があやす様に腰元をとんとんと触れてくれていて、そんな最中の珍しい言葉に思わず顔を上げる。
街灯の少ない真夜中の駐車場。もう朝の方が近い事は分かりきっているけれど、太陽の明るさがこれほど恋しいと思うことはない。
安堵した様な穏やかな笑顔はもっとしっかり見たかったのに、私の頬を包んで指が涙を拭うから目を閉じる。
「…俺ばっか追いかけてると思ってたんで、ちょっとほっとしました」
「っ、そん、なこと」
「………。早く部屋入りましょう。荷物これだけでいいですか」
「っ、ぇ、ぁ、は、はい…」
夜に慣れてきた瞳でもう一度彼の表情を見る前に、さっと自分の方へ引き寄せた拓海くんはそのまま車内に放置していた鞄を取り上げドアを閉める。
運転席へと周りカギをかけるときも、マンションの部屋へ向かうまでも、ずっと繋いでくれたままの手に私の心臓は急かされてばかりだ。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜！！ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい！！！！やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります！ (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…！お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年9月29日 15時
