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少し語調を強めた彼は、私の唇を奪い支えていた手で上を向かせてくる。
何度も確かめる様に啄まれ、口を開かせようと舌で唇をぺろりとなぞる仕草に背中が甘くしびれた。
「っ、〜……わかっ、…んぅ、…たくみ、っ…ん」
舌先が口内を好きに遊んで、呼吸の仕方も分からなくなって苦しいのに、唇が離れる刹那が惜しい。
拓海くんのキス、優しいのに、ちょっとだけ強引な時もあって、それがもっとって強請ってくるみたいで思考が拓海くんだけに染まっていく。
熱くて、苦しいのに気持ちよくて、重なり泡立ち消える水音が脳内をも蕩けさせようとしてくる。
「まっ、……じゃ、あ、食べる、…ちゃんと食べるから!!ほらケーキ!!だから待って…!!」
頬を包んでいた手が身体をなぞり、ニットをたくし上げる。
熱い指先が素肌を撫でる感覚に声すら我慢できなくて、騒ぐ鼓動や考えられなくなっていく思考を落ち着けようと矢継ぎ早に告げると、ぴたりと指先が止まった。
心臓は痛いほどに早鐘を打っていて、乱れた呼吸を落ち着けようと肩が揺れる。
お部屋の明るさとか、意地悪してくる拓海くんに堕ちそうだとか、ケーキ冷蔵庫に入れたっけとか思考は忙しく動いていてようやく、せめてお風呂に入らせてほしい、と待ってに対する答えを決めた。
だがそれを発する前に、お預けを食らって不満げに見つめてくる拓海くんにきゅんとしたし、
「…お腹いっぱいなんでしょ」
今にも待ちきれないと言いたげに唇をふさがれる強引なキスにもう「まて」なんて言える訳もない。
また明日でもいいんじゃないですか?とテキトーな返事で、スカートのファスナーを下げ下着とタイツの間に指を添わせる。
性急に求められる手つきが鼓動を速め、露になった肌をなぞられ指先に力が籠った。
すぐ後ろ、背もたれ代わりのベッドに私を抱き上げ寝かせてくれる。
「っぁ、拓海くん、…っ」
膝裏に手を入れ、割り開く様に力を入れられるから思わず足を閉じてしまったけれど。
「…ダメですよ、」
小さな子を窘める様に私へ笑んで、合わせていた膝へ手をあてがい身体を入れ込まれ思考がとろりと蕩け落ちてしまう。
「…ほんと、可愛いですね。…Aさん。」
欲を孕んだ視線と、妖艶な笑顔。
頭の中は拓海くんだけに染め上げられ、食べられちゃいそうな視線にお腹の奥が甘く疼く。
言葉にする事、お互い様だなんて、拓海くんはきっと気づいていない。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜!!ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい!!!!やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります! (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…!お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります! (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2023年9月29日 15時