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全身全霊で、誠意をもって挑むバトルで起こる事とは信じ難い続報の数々に、私の心情は複雑に揺れ動いていた。
無論、ケンタくんの激昂具合も、史浩さんの焦りも理解できる。
トランシーバーから聞こえる悲痛な叫びは腸が煮えくり返りそうな怒りが沸き上がったが、言葉にして吐き出せるほど今の私には余裕がなかった。
道を譲られる事も、入り口がねじれラインに制限があるヘアピンカーブで車をぶつけながら抜き返される事も、もし私がドライバーならモチベーションの維持どころかパニックで泣いてしまう。
そんなに低く見積もられていたのだろうかと勘繰ってさえして、冷静な思考など消え去るだろう。
「A、ちゃんと息しろ真っ青だぞ。」
「…う、ん。大丈夫、ありがとう」
対戦相手の彼がそんな不躾な事をする様に見えなかっただけに、単純な嘲笑なのか何か明確な意図があるのか、はたまたそこまで考えられてすらいないのか、訳が分からず思考はただ解決を知らず回り続ける。
「…常識だと思っていたワクを、一度外したほうがいいぜ」
「ンな事言われてもだな…」
涼介さんの助言だって、受け止めるのが精一杯でかみ砕けているかと聞かれれば頷けない。
それでも走り続ける拓海くんと、拓海くんを信じ対等に思っているからこそ強く受け止められる啓介くんの心情には感嘆してしまう。
こんな不躾な事で拓海くんがダメになってしまうなんて思わないけれど、本音が見えないからこそ不安になる。
それではダメだ。両者に失礼だ。物事の本質を知りうる前に、己の感情に任せ方向を見失ってはダメ。
いつだって、拓海くんの味方でいたい。
彼の気持ちに寄り添いたい。
彼の可能性を、信じていたい。
だからこそ、強く信じた拓海くんへの気持ちを揺らがせてはいけない。
勝ってほしい、無事でいてほしい、よかった、と笑って帰ってきてほしい。
ずっと見守る事の叶わない不安が押し潰してきそうだけど、全力をかけて戦っている拓海くんに比べたら待つという行為はよほど優しい事だ。
どんな王道な少女漫画も、ドラマも、昔話だって恋する女の子は全うに役目を謳歌し王子様に幸せをもらっている。
重くて、怖くて、感じられない時間がマイナスな事ばかりを考えさせる。
だけどそんなのに負けるなんて、拓海くんを迎え入れる器に足りない。
いつだって信じて待つのが、拓海くんを信じ続けるのが、私ができる小さくて大きな願い事だ。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜！！ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい！！！！やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります！ (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…！お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年9月29日 15時
