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決して愛車を荒く扱わない彼が、勢いを消さずドアを閉め血相を変え走ってきてくれる。
「Aさんｯｯ…！！」
私の腕を強く引き自分の胸元へと引き寄せ、肩を抱いた。
「たくみ、く、…」
掴む手に力が込められて、胸板に頬がつく。
呼吸までも苦しいくらい抱き寄せられるから見上げるのはやっとで、息をのんだ。
「…すみません。この子俺の彼女なんですけど、何か用事でも。」
いつもの優しく柔らかなものとは違う、知らない声。
地を這うように低く、絞り出された低音に怒りが含む。
ここまで如実に表す姿は見たことがなく、つられて緊張が走った。
ナンパに絡まれてるから早く来て、とは送ってしまったものの、こんなにも焦らせてしまうとは思っても寄らず安堵したはずの鼓動が再び駆けだす。
じり、と靴底が小石を踏みつける音と、店名の入った車に気づき息をのむ音。
捲し立てたそうな声は怯んだのか、それこそモブキャラが捨て置くようなセリフが段々遠くなり陳腐なスキール音が消えてすぐに。
今度はぐっと両手で肩を押され、目を丸くした。
「なにもされてませんか！？！？」
「っ、だ、だいじょう、ぶ…」
「本当ですか！？怪我は！？乱暴な事されてないですか！？」
「う、うん、ほんと、本当に大丈夫、……急かして、ごめん」
畳みかける余りの剣幕に面食らってしまい、揺れる瞳で見ていた拓海くんは拙く答えた私を再び抱き入れる。
「っは、ぁ、…よかった、……すんません、遅くなって。…怖い思い、させましたね」
覆い被さる様にぐっと力を入れられて、ほんの少し背がのけぞる。
肩口に額をぐりぐりと押し付け深く息をつくから、そっと腰の辺りの服を掴んだ。
「ううん、…私がここで大丈夫って言っちゃったから、自業自得。…迷惑かけてごめんね」
「Aさんは悪くないです。……焦った、も、ぅ…ほんと……自分が可愛いの自覚してください…。心臓もたねェ、…」
よかった、と零れ落ちた声がくすぐったいのかむず痒いのか、緩みかけた唇を内側へ巻き込む。
未だ肩口に顔を埋めたままやたらめったら頭やら背中やら撫でられる為心臓は跳ねてばかりで、不満げに呟かれても私の好きを煽っていってしまい仕方がない。
「ったく、…だから啓介さんに毎回毎回、……秋名来た時も腰抱いてっし、遠征ん時も距離近ぇし…」
「……初めて会った時も、そう思ってくれてたの？」
「っ、…」
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜！！ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい！！！！やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります！ (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…！お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年9月29日 15時
