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さくりと音を立て、咀嚼し飲み込む穏やかな動作。
俺の一口とは随分控えめで、だからといってすぐに二口めへ向かう訳ではなかった。
唇のふちを拭い、俺を見たAさんはにんまり笑う。
「んまい」
「そりゃよかったです」
無邪気な笑顔は普段の物腰柔らかく落ち着いた印象とはまた違う、俺だけが知る一面。
時間なんて忘れ見守っていたくなる緩やかな朝食を終え、向かい合って座っていた彼女は当然の様に俺の分まで皿を下げる。お礼にも首を横へ振り、隣に座った。
何も言わず見つめてくるAさんは少しだけ距離を詰め、俺へ両腕を差し出すように伸ばす。
「…。ぎゅ。」
「……どうぞ」
未だまどろみから覚めたばかりの柔らかな瞳は、早く抱きしめろ。とさも当然の如く俺を見つめるからこくりと喉が動く。
細腕を引くと、俺へ乗っかってきて首元へ腕を回した後、何か違うな、と思ったらしく俺の腕より下から手をやり背中を触れたところで落ち着いた。
少しでも隙間が空くことが惜しいのか、身体を密着させた最適なポジションを見つけ満足気に肩に顎を乗せられこちらばかりが忙しい。
昨日はあんなに躊躇っていたくせに、と思いながらも、突然甘えてくる子猫のような気まぐれな行動は俺の本音が伝わった故のものだと思えば、むず痒いというか安堵してしまうというか、乙女心は難しいものだ。
「…甘えたですね」
とん、とん、と揃えた指先で背を撫でてしばらく、服を掴んでいた手が首の後ろで絡み、寄せられていた身体がほんの少し離れる。
視線だけがくりくりと丸っこく何かを訴えていて、諦めたのか横へ流れた。
そうして返事を考えるような素振りをするから見つめていれば、ちぅ、と触れるだけの口づけを落とされ思わず目が膨らむ。
ひときわ強く心臓が揺れた俺とは反対に和やかな視線で俺を見上げていたAさんは、再び肩口へ頭を預けた。
触れれば崩れてしまいそうな柔らかい感触が、また上半身へ戻る。
「拓海くん、大人っぽいから、つりあうようにしなきゃって思ってたけど無理みたい」
「…そんなこと…」
首筋にすり寄って、幾分か弱い声音が喉元を擽る。
胸元のシャツを握る指先。第一関節が曲がり、布の皺を濃くした。
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み(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» お楽しみ頂けた様で嬉しいです〜〜！！ありがとうございます😊❤😍✨ (3月12日 7時) (
レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - やばい！！！！やばいです😭😭😭拓海いぃぃぃぃぃいいいい好きだァァァァァ (3月11日 4時) (レス) @page41 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - るさん» こちらこそお褒めの言葉ありがとうございます😊💕💕もっと楽しんで頂けますよう更新頑張ります！ (11月24日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
る - 最高すぎます。本当にありがとうございます😭😭😭😭😭更新楽しみにしてます🥰 (11月23日 8時) (レス) id: 74e8a14f0e (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - わんさん» いにで大好きなのですが余りに供給が少なくついに手を出してしまいました…！お読み下さりありがとうございます💕これからもお楽しみ頂けるよう頑張ります！ (11月22日 16時) (レス) id: afd02ed077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2023年9月29日 15時
