参・妖月探偵事務所【名前変換オリジナル】 (ページ6)

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４７話【妖術】ページ6

先輩に呼ばれついていくと、ついたのはある部屋で
中にはすでにはなよいさんたち６人が集まっていた。
そして床には陣のようなものが描いてあり、
それを囲むような配置で立っている。

「準備はできました。」

「ありがとう。すぐに始めようか」

「あの、先輩……これは？」

「見ての通り陣だよ。妖術のための」

「よ、よう…？」

「そう。まあ百聞は一見にしかずって言うし、見ていて。」

「わかりました……」

私がそう返事をすると、先輩は陣の中心に立ち
長方形の紙を取り出してから陣を囲んでいる６人に目配せをする。
そして先輩は目を瞑り紙を顔の前に、
他は片手、または両手を先輩に向けて伸ばしている。

するとぼんやりとした光を６人が纏い、
それは手を伝って先輩へと全て流れていった。
風なんて起こっていないはずなのに先輩の髪や服は
まるで下から風が優しく吹き付けているように靡き、
少し立ってから目を開くと一言だけ発した。

「………“壁(へき)”」

その一言の後に光は真上へ延び、結局は全て無くなった。
数秒静寂が続き、それから全員が大きく息を吐いており、
結局私はなにがなんだかわからないまま終わってしまった。
先輩はゆらゆらと後ろへと倒れるように下がっていき
力なく壁に凭れるとそのままずるずると床に座り込んだ。

見間違いかも知れないけれど顔はいつも以上に白く、
どちらかといえば青白いような気もした。
それに気づいたはなよいさんが先輩の方へ駆け寄り
他もそれに続くように近くへ行ったり、
ただ遠くから見守っているだけの人もいた。

大丈夫かというはなよいさんの問い掛けに
苦笑の混じった力のない笑顔を浮かべながら
大丈夫だと返す先輩は、どう見ても大丈夫そうには見えない。
私もできれば近くにいきたいが、とばみさん辺りに怒られそうなので
黙って遠くで見守っているしかできなかった。