.*･ﾟ .ﾟ･*.Jr. dream land.*･ﾟ .ﾟ･*.

片想い。/七五三掛龍也 ページ31

「ねー。しめちゃーん。」


『。。。なに？』




今、ベランダ越しに
呑気に話しかけて来てるのは
幼なじみで隣に住んでるA。

俺の好きな人。


そして、親友の美勇人の彼女。

知らない間に二人が付き合ってた。






俺はずっとAのことが大好きだったのに。

高校で仲良くなった美勇人が
簡単に付き合った。




しかも、
その事実を、今日知った。

美勇人もそんな話し一言も言ってなかった。


。。。まぁ、最近テンション高かったけど。





「ねぇ。

なんで今日、そんなに機嫌悪いのー？」


『。。。別に。』



「別にじゃない！

なんか怒ってるじゃん！」



『そう見えるんなら、そうなんじゃないの？』


「なにそれ。」




『。。。。つーか、俺、勉強してんの。
それだけなら、話しかけないで。』


「心配してんのに。」



『頼んでないし。
暇なら、みゅーととメールでもすれば。』



「もういいよ。

しめちゃんなんか知らない。」


ガラガラ ﾊﾞﾝっ


Aが、窓を閉めて、カーテンまで閉めた。





いっつもこれだ。
俺が勝手に不機嫌になって、
Aが怒って。



『。。。俺、かっこわりぃー。。。』


ため息が出る。




優しくされると今まで以上に好きになりそうで。



彼女でもないのに、慰めてくれたり
相談を聞いてくれたり。

でも、これだけは相談できない。。。



Aが好きだなんて、



言葉にしたら、今のこの関係が崩れそうで。

美勇人を裏切ることにもなる。

俺が我慢すればいいことなんだ。
それですべてが丸く収まる。


素直になれたら。
どんなに楽なんだろう。




次の日からAと学校に行くのをやめた。

『おれ、真面目に部活いくよ！
昨日悩んでたの部活のことだったんだよ。

おれ、朝練あるから、今日から一緒に行けない。

ごめんな？美勇人と行って。』

「そうだったんだ！
相談してくれればよかったのに！

私らも、早くしようか？」

今までなら途中で美勇人と合流して、
3人で通ってた。

でも。
二人が笑いあってる所、
見たくないから。

『大丈夫！
２人で登校しなよ。』ﾆｺｯ


「うーん。。。わかった。」




そのまま、僕は一人の道を歩いた。



僕は、

親友と君の、幸せを願うよ。


『。。幸せに。』

作者より。。→←片想い。/田中樹

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