血塗られた約束 ページ3
敵国に関われば死罪。
敵国に関わった者の家族も極刑に値する。
まぁ、私には家族は居ないのだけど。
その御触書が出たのは私が十歳の時。
敵国である彼、カイと知り合った時だ。
皇国最下カーストの出である私は、毎日の様に物乞いをして生きているしかない。
最下カーストの居られる場所は燃え盛る様な暑さを誇る南側、敵国と一番近い場所である。
犯罪が盛んな最下カーストの敵国との壁に寄り掛かり、ひっそりと死ぬのだろうと覚悟していた時、彼に出会った。
彼は敵国でも比較的高い地位にいたらしい、話し方が綺麗だった。
だが私は名前も無い最下カーストの人間、今考えたって皮肉にも程があると思う。
言葉、名前も知識もなく、自分が何なのかすら分からず、家族の顔すら知らない人間、本当に何で運命の歪みがあったのか。
その運命の歪みはどんどんと広がっていたんだろう。
彼は敵国で有りながら私の事を助けてくれた。
何故だかは教えてくれなかった。
敵国との壁の抜け穴を通り、何キロか歩いた所に彼の家はあった。
小屋に近い感じの小さな家。
その時の彼は、親から出来損ないと言われて捨てられた、と言って泣いていた。
家自体は家族が十歳の時に買ってもらったらしい。
彼は当時十五歳、敵国でも自国でも成人として扱われる年齢だった。
彼からは言葉、フォークやナイフの使い方、品位が高い雰囲気の出し方。
色々と沢山の事を教えて貰った。
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誰かさんの裏垢(プロフ) - アイカさん» 読んでくださりありがとうございます。頑張るので他の作品も読んでください。よろしくおねがいします。 (2018年5月21日 20時) (
レス) id: a5f07e3e68 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 感動しました！これからも頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かさんの裏垢 x他1人 | 作成日時：2018年5月20日 20時
