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膝を着いてもがき苦しむ神威の肩を抱く私の前に立つ、両親と佐々木異三郎殿。
佐々木「はやくその人から離れた方が2人のためですよA様」
母親「そうよ、そんな汚らわしい兎なんてなんの価値もない」
A「神威に何したの」
そう睨みつける。
佐々木「そんな怖い顔しないでください。ただ少し薬を団子に盛っただけですよ」
薬を盛った?じゃあなんで私は、。
佐々木「あ、もちろん夜兎専用のなのであなたが服用してもなんの害もないので御安心を」
そっか。この"小さい集落"が罠だったんだ。人も全然居ないし、甘味処の店主も変だった。普通団子50本なんて驚くだろうに、あたかも神威が夜兎ということを見抜いていたように平然と出してきた。
神威「A、下がっ、てて」
神威は力を振り絞り、私の前に立つ。そんな姿は涙なしでは見てられない。
神威「アン、タが持っ、てい、る、薬ご、ときで俺は倒せ、ない、よ」
佐々木「さすが、春雨の団長やっているだけありますね。しかし、あなたは負けたんです。大人しくA様を渡せば生きて返しますよ」
そういい銃口を神威に向ける。
A「もうやめて」
父「Aが大人しくこっちに来ればこの青年は死なずに済むんだ」
神威を助ける唯一の方法。私はゆっくり立ち、神威に抱きつく。
A「ごめんね、大好き」
神威「A待っ、!?」
神威が言いかけた途中、乾いた発砲音が響く。急いで振り向いた先には肩から血を流す神威がいた。
A「生きて返すって、!?」
父「あぁ、生きては返すさ。だけど、撃たないなんて誰も言ってないだろ」
この人はどこまでも腐っている。だけど早く両親の元へ行かないとまた神威に傷がつく。そう歩き始めようとするが、後ろに手を引かれる。
神威「俺は、ヘーキ、だ、からさ、行かないで、よ」
そう私の肩を掴み悲しそうな顔をしながら、訴えてくる。でもこのままじゃ神威が危ない。
A「お願い、行かせて」
そう言っても離してくれない
父「A時間切れだ」
そう言うと佐々木殿に撃つよう指示する。佐々木殿が構えたと同時に、
??「いや〜泣けますねィ」
と江戸っ子口調の男の子が入ってきた。
A「沖田さん」
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作者名:m | 作成日時:2023年5月4日 15時