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あの後すぐに私たちは、妙ちゃんに風呂敷を頂き、その中に前来てた服を包んでキャバクラをあとにする。また神威は髪色が少し派手なため笠も頂いた。外に出るとたくさんの見廻組や、市民が通行している。
神威｢A、落ち着いて。大丈夫だから｣
そういい私の手を取る。握り返すと同時に歩き出す。
俯いていたら逆に怪しいかと思い、前から来る見廻組とは目を合わせないように前をしっかり見て進む。
しばらくして私たちは歌舞伎町、その先の街を出ることに成功した。
A｢やっと出れた…｣
神威｢疲れた？｣
A｢うん、ちょっとだけどね｣
江戸は広く、気がついたら日は沈みかけている。それにいつ捕まってもおかしくない状況下だったため精神的に疲れてしまった。
神威｢今日はもうちょいだけ進んで休もっか｣
A｢ありがとう｣
そう手を引かれ少し歩いた先には、小さな家がある。
神威｢ここ借りよっか｣
A｢え！？でも人住んでるんじゃ…｣
その家は見るからに空き家って感じは全くないくらい綺麗にされていたが、神威は"大丈夫大丈夫〜"って進んでいく。
神威が家に上がる後ろで小さな声でお邪魔しますと挨拶をする。
神威｢そんなに心配しなくて大丈夫だよ。ここ本当に空き家で、A迎えに行く前に少し掃除してたからさ｣
A｢そうなの？｣
神威｢もちろん。まず無計画で知らない星を進み続ける危険な行為をするほど俺は馬鹿じゃないし、そんなことしたら団長務まらないよ｣
そうにこやかに言う神威。そう聞いた瞬間ホッとした。入るやいなや床に座り、歩きっぱなしの足を休める。
神威｢明日は西の方に行くよ。本当は東の方が近いんだけど、この先に御庭番衆の集落があるらしいからね｣
そっか、御庭番衆も一時期両親が雇っていたから今は危険なのか。
A｢目的地とかあるの？｣
神威｢うーん、あるっちゃあるしないっちゃないかな。ただここは江戸からそう遠くないからずっとは入れないんだよね｣
宇宙はまたすぐバレるかもで、ここは江戸が近いからダメで、いったいどこに逃げればいいんだろうか…。
すると突然神威が
神威｢またA怖い顔してる｣
A｢してないよ｣
そう笑いかけるけど全部お見通しらしく、
神威｢俺の前では作り笑いなんてしないで｣
そう言うと私の頬を神威の大きな手で包み込み、私にキスをした。
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作者名：m | 作成日時：2023年5月4日 15時
