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『お前ぜってえ断ってすぐ帰ってこいよ！』
「もー、わかってるってば」
放課後、やいやいとうるさい岸を適当にあしらって約束してた視聴覚室に向かう。
実はイタズラで、行ってみたら誰もいなかったオチならいいのになーなんて私の願望とは裏腹に、視聴覚室のドアを開ければすでに私を待っていたらしく。
少し緊張した面持ちで私を見て軽く手をあげた。
〈ごめん、急に呼び出して〉
「ううん、大丈夫」
〈もう薄々わかってると思うし、岸と付き合ってるのも知ってるんだけど。…１年のときから好きだった〉
「…うん、えっと……ごめん、ありがとう」
想像通りの告白に申し訳なさを感じつつ、だけど返事は決まってるから丁重にお断りして。
伝えられてよかった、とすっきりした？顔で出て行ったのを見送ってから、私も岸の待つ教室へ戻る。
なんだか無性に顔が見たくなって、足を進めるスピードが少し速かった。
「…岸？」
『…おせーよバカ』
そっとドアを開けてみれば、岸がたったひとりで私の席に座って頭を伏せていて。
ほんの１０分程度だったのに、私の声で頭をあげたその表情は不機嫌そう。
立ち上がって私に近づくと、腕をぐっと掴まれて岸の胸の中に収められて、ぎゅーっと力が込められるから、素直に腕を回して抱きしめ返す。
「怒ってる？」
『怒ってねえけど妬いてる』
「……そ、」
ストレートな言葉を聞いて単純な私の胸は高鳴るのに、相変わらずそっけない返事しかできないけど。
きっと岸は分かってくれてる。
「…っ、ん、」
少し身体が離されたと思った瞬間、左手は私の腰に回ったまま、右手が頬に添えられて唇が重なる。
そのまま啄むようなキスが繰り返されて、その大きな手は後頭部に移動して。
嫌でも男を感じてしまう、そんなキスにまだ対応しきれない私はついていくのに必死で。
『…顔あか、』
「っ、だって…恥ずかしい」
『……もうお前ほんと…はあ』
可愛すぎ、と呟いた声が聞こえればさらに顔が熱くなる。
『…俺だけ見ててよ、ずっと』
「……岸しか見てないよ」
珍しく少しだけ不安げになった岸の表情を微笑みながら見つめれば、近づいてくる唇の気配を感じて静かに目を閉じた。
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倖 - どひゃー！！更新ありがとうございます！！岸くんとこんな放課後を過ごせる人生に生まれたかった… (2019年5月1日 0時) (
レス) id: 825a5581ca (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 倖さん» ありがとうございます〜！まだまだ更新予定のお話もたくさんありますのでぜひ楽しみにしていてください！ (2019年4月30日 13時) (レス) id: 7538cd8bd5 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 夏美さん» お返事遅れてしまい申し訳ありません(>_<)ツボだなんて嬉しいですありがとうございます…！マイペースではありますがこれからも読んで頂けると幸いです！ (2019年4月30日 13時) (レス) id: 7538cd8bd5 (このIDを非表示/違反報告)
倖 - 一気に読みました…岸くん素敵すぎる!!!更新超絶待機してます!!! (2019年4月15日 3時) (レス) id: 825a5581ca (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 1作目と2作目一気に読んだのですが、なのさんの描く岸くんがめちゃくちゃツボで好きです！続きも楽しみにしてます！ (2019年3月20日 16時) (レス) id: a623f727bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2019年3月19日 20時
