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☆11 ページ11

ちょうどホームに電車が入ってくるのが見えたから、顕嵐くんに挨拶をして階段を降りようとしたら。


後ろにいたはずの岸が私の腕を掴んで、そのまま引っ張られて階段を降りる。


降りる前に振り返って一瞬見えたのは、驚いた顔の顕嵐くんと。……藤山さん。



少しの罪悪感と、優越感。




「意味わかんないんだけど」


『それはお前のほうだろ』


「なにが?」




結局岸は私の乗る電車に乗り込んで。

ひとつだけ空いてた席に、座れと促されてその前に岸が立つ。


岸の顔を見ると、珍しく不機嫌で。

いや、不機嫌な顔をするのはいつものことだけど。
……怒ってる?




『………おまえ顕嵐が好きなの?』


「なんでそんなこと」


『好きなの?』


「……かっこいいとは、思うけど」




分かりやすく目を泳がせながらそんなことを聞かれる。

岸までそんな質問をしてくるなんて。


今日はやけに好きとか嫌いとか多いな!!




『……そっ、か、だよな!おう!』


「……変人」


『うっせえ』




電車が次の駅に着いて私の隣の人が降りたから、そこに岸が座る。

退勤時で少し混み合ってるから隣との距離も近くて。


肩が、触れてる。

それだけなのに、なぜか無性にドキドキしてきて。心拍数が上がっていく。

岸と触れ合ってる右半身に全神経が集中してるような、そんな感覚が恥ずかしい。


岸相手に、こんな。




「……はあ…」


『お前なんでそんな疲れてんの?』


「……なんでもない!」




私の最寄りに着いたときには、部活をしてた岸よりも疲れ切ってて。

何も気にしてない岸がムカつく。




「てか岸、どうすんの」


『あー、引き返すよ』


「ほんと何しに来たの?もう、じゃあね」


『……っ、お前が!』


「うわ、っ」




岸に背を向けてホームを出ようとすると、いきなり後ろから手を引かれた。

後ろ向きで転けそうになったところを、岸の身体が受け止めて。




『……お前が顕嵐ばっかと喋ってるからだよ!』


「え?…ちょっと!」




私が振り返って岸の顔を確認する前に、岸は手を離して反対側のホームへの階段を上がっていってしまった。

去り際に見えた岸の横顔は、心なしか赤く染まってて。

きっと、夕日のせいだと思った。

☆12→←☆10



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設定タグ:岸優太 , ジャニーズJr   
作品ジャンル:恋愛
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- 最高すぎました…!!!楽しい時間をありがとうございます!!! (2019年4月15日 2時) (レス) id: 825a5581ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆりやんぬ - 大好き! (2017年9月26日 22時) (レス) id: ab2e82bdbd (このIDを非表示/違反報告)
なの - はい!!わかりました (2017年8月19日 13時) (レス) id: bd508ae743 (このIDを非表示/違反報告)
りおな - すごく面白いです岸くんのツンデレもっと出してほしいです!! (2017年8月6日 12時) (レス) id: bd508ae743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なの | 作成日時:2017年7月12日 23時

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