ドSの女王。【月島蛍】 (ページ27)

今日:14 hit、昨日:11 hit、合計:2,643 hit

26mm ページ27

＿＿＿月島side

…しまった

隣に置いてある携帯を見るともうバスが出る時間だ

山口からの大量のLINEに

"寝坊したから先行ってて"

それだけ送って急いで支度する

・
ﾋﾟﾛﾝ

「新着1件」

"月島大丈夫？学校で待ってる。"

いつ追加したか分からないAからLINEが入る
もうバスは出たんじゃなかったのか

そう考えながら走って学校へ急ぐ

・

・
はぁ…はぁ…

朝起きて15分しか立ってないのに
この運動量は死にそうになる

と、校門の前に人影が。

黒いサラサラの髪が風に揺れ
邪魔くさそうに片側を耳にかける

その動作が凄く綺麗で。
僕は急がないといけないのに見惚れてしまう

携帯から顔をあげてこっちを見ている

　『おはよ』

月島「バスはもう出たよね」

　『うん、電車で行こ』

月島「ねえ。なんでいるの？」

ちょっと待て。僕が言いたいのはこれじゃない
ありがとうが言いたいだけなのに
口を開けば出てくるのは挑発と冷たい言葉だけ

　『は？待っててあげたのになにそれ』

先行けばよかった、と顔を背ける彼女

そりゃ怒るよな

なんでありがとうの5文字が言えないんだ
心の底から嫌になる

･

結局あれから1言も交わさず着いてしまう

重たいドアを開けると
休憩中のみんなからの視線が刺さる

山口「あ！！！ツッキー！！！」

烏養「おう、月島。遅かったな」

月島「すみません」

烏養「次の試合出てもらうから体慣らしとけよー」

月島「わかりました」

烏養「あとAにお礼も言っとけな」

･
分かってる

前にAを部活に連れて来た時

お礼言えないとかとことん女王だねえ

なんて煽った覚えがあるけど

人のこと言えないな…