形勢逆転 ページ45
『和人くん!!』
鬼はニヤリと笑い和人くんの腕を掴む。
借り物の刀を、藤色の刃を下弦の壱の鬼へ振るう。
首は簡単には落とせないのは分かっている。
けれど、今は和人くんから下弦の壱の鬼を離すことが最優先だ。
『水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き─!』
「ハ、届かへんわそんなもん。」
突き技を、後方へ下がることによって避けられる。
鬼は、和人くんの腕を掴んだまま。
「Aさん、こいつは俺が何とかするけん、首狙って!」
『んな事、言ったって…』
「させへん、お前らは俺が先に殺すんやからなぁ!」
首を狙え と言われても、あの硬さだ。私なんかの力では到底落とせないどころか、傷ひとつつけられない。
それに、和人くんを人質に取られている状態で無闇に刀は振るえない、和人くんを盾にされるだろう。
小さく下弦の壱の鬼が笑う声、手元で刀が震える金属音、頭を割りそうな鼓動の音──
眠ってしまっているはずの京士くんの手が、ぴくりと動いた。
『──ッ、京士くん、忠継くん!!』
「眠っとる奴が、使えるわけないやろ──
「オハヨウ、鬼さんよォ!!」
「Aさんごめんなさい遅くなりました!」
京士くんの赤い刃が下弦の壱の鬼の首を捉え、忠継くんは鬼が油断した隙に和人くんを鬼から引き離す。
「なん、で…」
「途中までは出来が良かったんだけどな、
「さすがに自分が倒された後なんて、幻でも見せらんなかったんだろうけど、大団円が早すぎた。もっと早く気づいてれば良かった…!」
たじろぐ鬼、体制を立て直す私たち。
音を断ち蛇の首を落す
皆一斉に、彩られた切っ先を鬼に向けた。
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ライ - 続編楽しみにしてます!とても面白かったです! (2020年3月27日 21時) (レス) id: 56923292e8 (このIDを非表示/違反報告)
風守 風華 - このお話本当に大好きなので更新頑張ってください…!! (2020年3月14日 13時) (レス) id: 050c795d91 (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - かもめさん» コメントありがとうございます!最初よりも更新ペースが落ちてきてしまいましたが、なんとか頑張らせていただいてます…!楽しみにしていてくださいね! (2020年3月1日 23時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
かもめ - 続き楽しみにしています!! (2020年2月29日 22時) (レス) id: fbaa55833c (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - 匿名希望のななしのごんべさん» 失礼します、コメントありがとうございます。(建前)エヘッありがてぇ(本音) (2019年10月17日 22時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時坂豆腐 | 作成日時:2019年9月23日 14時