こどもの鬼とこども ページ3
そして､現在へと至る──
『ううーっ！寒い無理！もうどうするのその鬼がとんでもなく強いやつだったら！』
｢カァ！知ルカ！急ゲ､急ゲ！！｣
『話聞けや！！全くこれだから鎹鴉ってやつは〜っ！』
寒さで縮みあがる体に鞭打ち､山を上る。
どうするんだよ､これでその鬼が本当にとんでもなく強いやつだったら。私死ぬぞ。
『もう夜じゃん！暖をとらせてください五生のお願い！』
｢被害ガ出タラドウスル！早ク行ケ馬鹿メ！｣
『はぁぁ！？今一番言っちゃいけない事言ったよお前！』
鎹鴉と騒ぎながらも歩みを進めると､どこからか悲鳴が聞こえた。
『今の悲鳴…少し下の方！？』
｢カァ！行キスギダ馬鹿メ！｣
『ちょっと今は黙って方向がわかんないでしょ！』
声が聞こえた方へと駆け足で向かう。
間に合え､間に合え！
葉の落ちた木々の間に､取っ組みあっている男の子たちが見えた。
片方は完全に押さえつけられ､片方は鬼のようだった。
ぱっと見ると､取っ組み合いの喧嘩にしか見えないが､よく見るとただ事じゃない。
『間に合え､間に合え……！！』
走り込み､高く跳び鬼の男の子に斬りかかる──
──が､刀が鬼の男の子に当たった感触がない。
『な､なにやってんの君！？』
もう1人の男の子が､鬼の男の子を庇うように私の攻撃を避けた。
｢何って…なんで殺そうとするんだよ！俺の､大事な家族を、傷つけないでくれよ！｣
『はぁ！？ちょっと何言ってんの､その子､鬼でしょ！？』
｢鬼じゃない､鬼じゃないはずなんだよ！なのに帰ったら突然､こうなってた！｣
『ってことはつまり鬼にされたんじゃないの！？』
男の子に切っ先を向けて話す。
その間にも､鬼の子は暴れている。
…けれどそれになにか違和感がある。
…もう一人の子から､離れようとしてる？
｢っ､京士､暴れんなよ！痛っ､おい！｣
鬼の子が､もう一人の子を突き飛ばし､男の子が倒れ込んだところに向かっていく。
まずい､喰べられちゃう。
と､思ったのも束の間。
｢ヴゥ……｣
鬼の子が､男の子の目の前に立ち､こちらに威嚇してくる。
『…………マジでぇ…？』
自分でもわかるくらいひきつった表情になったまま､仕方なく刀を鞘に収める。
｢京士………？｣
後ろの男の子はきょとんとしている。
そりゃあそうだろうね､さっきまですごい勢いで襲ってきたのに､今度は自分を庇われたら。
『ええ〜〜…』
頭に乗った鎹鴉も､きょとんとしてしまった。
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ライ - 続編楽しみにしてます！とても面白かったです！ (2020年3月27日 21時) (
レス) id: 56923292e8 (このIDを非表示/違反報告)
風守 風華 - このお話本当に大好きなので更新頑張ってください…！！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 050c795d91 (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - かもめさん» コメントありがとうございます！最初よりも更新ペースが落ちてきてしまいましたが､なんとか頑張らせていただいてます…！楽しみにしていてくださいね！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
かもめ - 続き楽しみにしています！！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: fbaa55833c (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - 匿名希望のななしのごんべさん» 失礼します､コメントありがとうございます。(建前)ｴﾍｯありがてぇ(本音) (2019年10月17日 22時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時坂豆腐 | 作成日時：2019年9月23日 14時
