出会いと夜明け ページ12
｢たすけてぇーっ…｣
｢何してんの､お前｣
声を頼りに走って助けに来たはいいけど､その場にはもう塵になっていっている鬼と､頭を抱えてうずくまって情けない声を出している､少し派手な色の着物の同い年くらいの男がいた。
｢何…って､助けに来てくれたの！？ありがとう助かった本当無理死にそう｣
｢いや確かに助けに来たけどお前自分で鬼倒せてんじゃん､俺戻るよ？｣
｢えっ､違う違う､襲われたと思ったら気づいたら勝手に首落ちてんのこの鬼！怖いじゃん､突然首落ちたらさぁ…｣
泣きそうになりながらよろよろと縋りつかれた。
自分よりちっちゃいやつに縋るなよ…とはさすがにちょっと言えなくて､どうしようと思っていたところに､忠継が追いついてきた。
｢京士、大丈夫か！？｣
｢ある意味大丈夫じゃないコレ見てよ忠継､すっげえ情けない｣
｢情けないとか言わないでくんない！？｣
忠継が､俺に縋りついてるやつを見た途端､呆れともなんとも言えない微妙な表情になった。
珍しい､いつもニコニコしてる忠継があんな微妙な顔するなんて。
｢…で､鬼を倒したのは京士？｣
｢や、俺じゃない。俺着いた時もう鬼死んでたから｣
｢でも俺じゃないよ…突然首落ちたんだって…｣
さっきから同じことばかり言ってしつこい とはがそうにもはがせない。やっぱこいつじゃん鬼倒したの。
｢ていうか､いつまで京士に張り付いてるつもりだよお前…てか､名前は？｣
｢名乗ったら離れてお願い苦しい(大嘘)｣
｢死ぬかも知んないのに名乗る必要ある！？｣
身長差もあって耳元で結構うるさい。
Aや友矢よりは大人しいけど。
｢うー…仕方ない……
俺は
｢俺は明坂京士。俺もまぁ､細かいことはさておいてここに来た理由は似たようなもんだな！｣
離れながら若干愚痴混じりに自己紹介をする助久の愚痴を無視して､自己紹介する。
｢被せてやるなよ…
俺は田噛忠継。京士と一緒に鬼殺隊になる為に最終選別に挑んだ。お互い頑張ろうぜ。｣
｢なんでそんな前向きなんだ…｣
｢俺は鬼なんかに負けない､そう思ってりゃいいんだよ！｣
うじうじ怖がってる助久の背を叩くと､忠継が空を見て、
｢もうじき夜が明ける…｣
と呟いた。
空が薄い藤色に染まっていた。
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ライ - 続編楽しみにしてます！とても面白かったです！ (2020年3月27日 21時) (
レス) id: 56923292e8 (このIDを非表示/違反報告)
風守 風華 - このお話本当に大好きなので更新頑張ってください…！！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: 050c795d91 (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - かもめさん» コメントありがとうございます！最初よりも更新ペースが落ちてきてしまいましたが､なんとか頑張らせていただいてます…！楽しみにしていてくださいね！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
かもめ - 続き楽しみにしています！！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: fbaa55833c (このIDを非表示/違反報告)
時坂豆腐(プロフ) - 匿名希望のななしのごんべさん» 失礼します､コメントありがとうございます。(建前)ｴﾍｯありがてぇ(本音) (2019年10月17日 22時) (レス) id: beb385ff6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時坂豆腐 | 作成日時：2019年9月23日 14時
