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第6話 ページ7

(綾vision)


あの日、先輩に恋人みたいと言われた日から、妙に先輩のことを意識するようになってしまった。
肩くらいの髪を耳にかける仕草、笑った顔、優しい声、髪を束ねた時に見える白い項…
先輩の仕草ひとつひとつに目を奪われてしまう。
名前を呼ばれただけで、心臓がドキッとして…

僕はもう、この感情の答えを知っている。

これは「恋」だ。

きっと、A先輩にはじめて会った瞬間、
僕は先輩に恋していたんだ。
でも僕は、頼りないただの後輩にすぎない。
年だって2個も違うし、きっと先輩は僕のことを弟くらいにしか見ていないはずだ。
でも、もし先輩が僕と同じ気持ちなら…
先輩は来年の春には卒業してしまう。
始まったばかりだけど、1年なんてあっという間だ。
なら、勇気をだして伝えなきゃ。
僕のこの想いを…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈翌日 Aの教室〉


放課後、僕はA先輩を呼びに、先輩の教室にやってきた。



綾「A先輩?」
A「綾くん! ごめんちょっと待ってね〜」
綾「何か探しものですか?」
A「カメラのバッテリーがなくなっちゃって…
ちゃんとセットしてあったんだけど…」
綾「え、じゃあ誰かに取られたとか…?
僕も探しますっ!」
A「ん、ありがとう」



僕は先輩とふたりで教室中を探した。
…でも、見つからなかった。



A「もう時間だし、今日は帰ろっか」
綾「でも、バッテリーが…」
A「まぁバッテリーくらいまた買えばいいし。
探してくれてありがと! …一緒に帰ろ?」
綾「…はい……!」




その日、僕はA先輩とふたりで帰った。
後日、A先輩のクラスの担任が、棚の後ろからバッテリーを見つけてくれた。
しかしバッテリーは壊れていて、カメラは起動しなかった。
A先輩は、『バッテリーくらい大丈夫だよ笑』と言っていたが、その目には涙が浮かんでいた。
そして先輩の後ろで、クスクスと笑っている人たちがいた。
僕は悔しくて、下唇を噛んだ。
すると先輩は、『綾くん、ありがとう。』と哀しい顔で言った。
僕は先輩のこんな顔を見たくない。

僕がA先輩を笑顔にする…



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第6話、読んでいただきありがとうございます!
またまた更新が遅くなりすみません…(汗)
これから先、綾くんと先輩はどうなるのか…!?
次回をお楽しみに〜!

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設定タグ:宝塚 , 雪組 , 綾凰華   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:夜月 雪姫乃 | 作成日時:2019年2月4日 19時

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