・ ページ34
蘭「ホントに来ねぇじゃん」
淡い期待を抱き続けたが
もう無駄みたいだ
日付を越すまで残り5分
初期設定のままのロック画面に
23:56と無機質に時間を告げる表示
いや、でもまだ4分あるし
俺ってこんなしつこかったか？
ただの平日
何も変わらない1日なのに
特別な日、なんて感じたことのなかった
この5月26日
こんな期待する日がくるとは
1年前の俺に言ったって信じないだろう
23:59を示すスマホの画面
…もう、寝た頃か
5分ってあっという間なんだな
通知は来なかった
もう何度目か分からない溜息をついて
スマホを机に置いたとき
＿ﾋﾟｺﾝ
蘭「…っ！」
日付が変わる、ほんの数秒前
いや、数秒にも満たないほどの時間
たった一瞬で求めていた通知が浮かび上がった
「大好きな蘭ちゃん、お誕生日おめでとう」
手が震えるせいでなかなかボタンが押せなくて
数回タップしてやっと電話がかかった
目当ての相手は直ぐに出た
蘭「な、んで…A、、、はっ、？」
言葉にならなくて
向こう側でくすくすと笑う声が聞こえた
貴「もう日付変わっちゃったけど…LINEはちゃんと26日だったでしょ？おめでとう、蘭ちゃん」
蘭「…忘れられたと思った…もう連絡ねぇ、って…」
俺の声は思ったより情けなかった
貴「…私、蘭ちゃんの最初の女にはなれなかった。だから最後の女になりたい。『灰谷蘭の最後の女』だよ。素敵でしょう？」
勿論、Aを俺の人生の最後の女にしようと
出会ったときから決めてはいたけど
Aも同じことを思っていたなんて、
知らなかった
貴「今日ずーっと…蘭ちゃんは私のことを考えていてくれたんじゃないかな。ふふ、性格悪いでしょ」
蘭「……んーん、最高…」
そう言えばAは嬉しそうに笑う
貴「1番はきっと競走だったでしょ？もし1番になれなかったら嫌だし、私は確実に最後を締めくくりたい」
力強い声に意味もなく泣きそうになる
貴「来年も再来年も、私は最後にお祝いする」
蘭「…うん、」
貴「貴方の人生の最後を貰うのも、私ね」
蘭「当たり前」
また、嬉しそうな笑い声がする
この笑い方が好きだ
闇を飛ばしてくれるような笑顔を早く見たい
蘭「…ありがとな、祝ってくれて。嬉しかった」
貴「蘭ちゃんが生まれた大切な日だもん」
大切な日だ、って
言ってくれる人がいるだけで
貴「お誕生日おめでとう。愛してるよ」
蘭「俺も、、愛してる」
I want to be the last woman in your life
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 393人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲良(プロフ) - 天使の闇さん» リクエストありがとうございます！ぜひ書かせていただきます！ (2022年9月28日 7時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
天使の闇 - リクエストいいでしょうか？彼女ちゃんが、めちゃ強で総長だったら、とかどうでしょうか？ (2022年9月25日 14時) (レス) @page46 id: f7e70f3d53 (このIDを非表示/違反報告)
千桜(プロフ) - 咲良さん» こちらこそ、ありがとうございます(*'▽'*)よろしくお願いします！ (2022年8月31日 18時) (レス) id: add587ada8 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 千桜さん» ありがとうございます！書かせていただきます！ (2022年8月31日 17時) (レス) @page45 id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
千桜(プロフ) - 咲良さん» �、�救急車には彼も同行している設定でお願いします！ (2022年8月26日 21時) (レス) @page45 id: add587ada8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山口咲良
| 作成日時：2022年2月14日 23時
