ただいま梵天首領の恋人は、囚われ中【佐野万次郎】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:12,731 hit

3話ページ3

.

「_____え、ねえA、起きて」

「......ん、あれ寝てた...、」

どうやら俺はあのあと寝てしまったらしい。
目を開けるとマイキーがドアップに映った。元友人だとて拉_致監__禁する奴に対して警戒心なさすぎじゃないか、俺。
自分に呆れてしまうけど、マイキーのこのあまりにも幸せそうな顔をみるとなんとなく拍子抜けしてしまった。

「最初の方は暴れてたみたいだけど..諦めてくれたみたいで良かった。中坊の頃よりちょっとは賢くなったじゃん」

「...馬鹿にしてんだろお前。つか見てたのかよ、監視カメラか盗聴器だろ？流石梵天の首領サマだな」

「ふふ、両方♡」

「...冗談のつもりだったんだけど。お前ホント悪趣味になったな、最悪」

この馬鹿広い部屋で探すのは無理そう。隠れんぼとか間違い探しとか、探す系の苦手だし。
考えたくはないが、...どうも一個じゃなさそうだ。

...それよりも。

「...マイキー、なんで急に俺をこんなやり方で連れてきたんだ」

そう聞くと、マイキーの耳がピクリと動いた。和らいだ顔も、目をかっぴらかしてこちらを威嚇し始める。

やばい、地雷踏んだかも。

「...あぁもしかして抱く気になった？ごめん、人の気持ち読み取るのとかさ、俺苦手だし。

さ、はじめよ♡」

「...違う。離れて、やめろ」

肩に手を回されて、鼻先がくっついた。マイキーの白い髪が顔にあたり変な感じがしていい気がしなかった。

「..もしマイキーが、俺のことを本当に好きでいてくれてるんなら、こんな方法間違ってる。やめてくれ。」

「...だって、お前は..これでもしねえと、俺のこと見てくれないから、好きになってくれねえから、A、」

「...え？」

ポロポロと泣き出したマイキーにギョッと目を見開いてしまった。俺は今女の子相手に話していただろうか？、と錯覚してしまうほどの繊細な乙女心っぷり。
見ないうちに幼児退行でもしたのか？？？

焦りと恐怖がどっと押し寄せた。

「どうやったら良い？どうやったらAは俺のこと好きになってくれんの、？
教えてよ、その為なら俺はなんだってできるから...！」

「違う.....あぁ、いやハッキリ言う。

ごめん。俺はずっと、今までもこれからもエマ以外の人好きになることはきっと出来ない。こんなことされても、なんも変わらない。だから___、」

____ﾊﾟｼﾝ

続きを言うことは出来なかった___いや許されなかった。