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「どういたしまして。とりあえず松野くん顔あげてくれ。タケミッチくんも。俺はカタギです。一般ピープルです」
Aは極めて柔らかに丁寧に諭した。
彼は成人しているので、未成年に頭を下げさせる二十歳、という余計な文脈が付随するのもある。
「ところで結局、タケミッチくんはなんで俺が稀咲の関係者だと？」
ファストフード店に来店し、Aは気軽なトーンで切り出した。
どう説明しても信用してもらえない気がする花垣武道、ぎくりと固まる。花垣が固まったのを察した松野千冬、とりあえず、知らないなりに会話を繋ぐ。
「今度こそマジで警察呼んだりしねーってんなら話せるかもしれませんけど」
「……コレ俺が先に事情を打ち明けるのがフェアかな」
ずぞぞと啜ったアイスコーヒーを脇において、両手を組んだ。
「まず俺の苗字の純丘は正確には勝手に名乗ってるだけで、本名は稀咲Aと言いますが」
「は？」
「エッ！？」
「……松野くんはともかく、タケミッチくんは知ってて俺に稀咲の話振ったんじゃないのか？ 本当にどういう経緯で稀咲の姓と俺が結びついた？」
訝しげな目で見られて、花垣の目がやや泳ぐ。
知ってるっちゃ知ってるが本当に知っているだけで、詳細は一切聞けなかったのでどうしようもない。
ちなみに直人が調べたところ純丘Aという人間の記録は、生まれたことがあるのか怪しむレベルで一切発掘されなかったらしい。偽名ならそらそう。
「とにかく、これオフレコな。東京卍會で知ってるの、たぶん君らだけだ」
と述べて、それからAはふと視線を空に走らせる。
「いや、さすがに鉄太は知ってるか。あいつ記憶力いいから俺の顔覚えてるだろ……」
「てった」
花垣はうっかり復唱してしまった。ウン、Aは頷いた。
「抗争のとき、いたよな？ 眼鏡かけて金髪でガングロの。あいつ俺の弟」
「弟ォ！？」
「わりと顔似てるだろ？ 親離婚してるから苗字は違うんだけどな〜。稀咲は俺らにとって母方の姓」
言われてみれば確かに面影は見えなくもない。鼻筋あたりに類似性が見える。
言われないと似てるとか考えない上に、似てると思っても他人の空似だと勝手に納得してしまうレベル。
「これもオフレコなんだが、俺、心の底から実家も親戚もほぼほぼ全員合わなくて正直嫌いでさ。中学上がる前ぐらいからずっと純丘で押し通してんだよ」
「なる、ほど……」
「で、ここからが俺が稀咲の名前を警戒してる理由だが」
「ウソだろここまで前置きだったのかよ……」
千冬はドン引きを隠せない。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。今回は我ながら異様なスピードで書き上げてしまいました。続きはしばしお待ちいただければ幸いです。 (2022年11月1日 21時) (
レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 一番最初から読み直してたら血のハロウィン終わってた💦場地さん生き残ってるー✨稀咲兄弟がお互い確認しちゃった‼️続きが、聖夜決戦がどうなるのかメッチャ気になりますー💦更新、楽しみにお待ちしてます。 (2022年11月1日 11時) (レス) @page50 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - 安蒜 佑さん» ありがとうございます。ずいぶん長くなってしまったシリーズですが、それでも読んでくださる方がいらっしゃることがとても嬉しいです。更新ペースはまちまちなので気長にお待ち下さいませ。 (2022年10月31日 13時) (レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - 面白くて面白くて、続編に進む度にまだ続編があるか確かめて読んでいましたが、ついに追いついてしまいました...ちなみに、2日で全部読みました。余暇の時間すべて読むのに捧げました(笑) 大好きです！続きも楽しみにしてます！ (2022年10月30日 23時) (レス) @page50 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます。今後ともゆるゆると書いていきますので気が向いたときにでも覗いていただければ幸いです。 (2022年10月25日 21時) (レス) id: 3cd0340111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-Doe | 作成日時：2022年10月25日 13時
