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「マイキーくんにはなにがわかってますか！？」
「――黙れ」
万次郎が腕を振りかぶった。彼の視界を遮っていた白の特攻服は地面に落ちた。
花垣は、それより一瞬速く、襟首を掴まれて「ぐえ」大きく後ろへ引き剥がされたところだった。
襟首を掴んだ
二人ぶん、つなげて広げた特攻服でトランポリンのように衝撃を緩和し「ぉげ」受け止める。
同タイミングで、イザナは既に地面を蹴っていた。勢いを殺さぬまま、つっと回転、回し蹴りが万次郎の右肩にもろに当たって、硬質な音が響く――肩が外れた。
万次郎が顔を上げた。瞳にはほとんど光もなく、うつろな空洞がイザナを見つめている。
「なんだその目」
イザナはつぶやいた。つぶやきながらも、今度は左を狙って、もう一度蹴りを繰り出した。前腕と上腕を使って受け止められた。
驚きはしない。無敵と呼ばれるなら当然、あるべき姿だろう。
「ッハァ！」
だから背後から、三ツ谷と八戒がタックルして、万次郎を地面に引き倒した。
抑え込んで、左肩の関節も外す。両肩脱臼。少なくとも、肩をはめなければ、拳は再び振るえない。
二人はそのまま、万次郎の足を抑え込む。
「……なんなんだよ……」
「マイキー、あのさあ、さすがに俺らオマエに、ダチが理由でダチ殺してほしくねえよ」
三ツ谷があっけらかんと言った。
「オマエは……二年前のこともある。そこは、オマエだけだよ。でも、一虎にダチ刺されてんのも、それで怒ってんのも、俺らもだから」
万次郎は、悪態をついていながら、ほとんど話を聞いていなかった。頬に突き刺さる砂利の感触。一度拳を止めると、どころか身体が動かせない状況に陥ると、ドッと疲労を自覚する。
お忘れかもしれないが、彼もまた、鉄パイプで頭を何度も殴打されている。
暗転。
「……ああ！？ タカちゃんやべえマイキー落ちてるどうしよ死んでねえよな！？」
「は！？ いや死んでねえよたぶんきっとど、ドラケェン！？」
「ドラケンくん今救急車案内させてっからちょっと待て！ ちなみに警察も呼んでるんで関係ない奴らは下手すると巻き添えでパクられるぞ」
くあ、とあくびをこぼしたイザナが鶴蝶を横目で見遣る。
鶴蝶は花垣を眺めていた。河田兄弟にばしばし背中を叩かれて咳き込んでいる。
「これでいいかよ」
「……ありがとう、イザナ」
眩しそうに目を細めて、のち、鶴蝶は身を翻した。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。今回は我ながら異様なスピードで書き上げてしまいました。続きはしばしお待ちいただければ幸いです。 (2022年11月1日 21時) (
レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 一番最初から読み直してたら血のハロウィン終わってた💦場地さん生き残ってるー✨稀咲兄弟がお互い確認しちゃった‼️続きが、聖夜決戦がどうなるのかメッチャ気になりますー💦更新、楽しみにお待ちしてます。 (2022年11月1日 11時) (レス) @page50 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - 安蒜 佑さん» ありがとうございます。ずいぶん長くなってしまったシリーズですが、それでも読んでくださる方がいらっしゃることがとても嬉しいです。更新ペースはまちまちなので気長にお待ち下さいませ。 (2022年10月31日 13時) (レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - 面白くて面白くて、続編に進む度にまだ続編があるか確かめて読んでいましたが、ついに追いついてしまいました...ちなみに、2日で全部読みました。余暇の時間すべて読むのに捧げました(笑) 大好きです！続きも楽しみにしてます！ (2022年10月30日 23時) (レス) @page50 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます。今後ともゆるゆると書いていきますので気が向いたときにでも覗いていただければ幸いです。 (2022年10月25日 21時) (レス) id: 3cd0340111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-Doe | 作成日時：2022年10月25日 13時
