＊ ページ33
「はーあ。あーあ。コロシはナシな。ハイハイ」
「やっ……ぱり殺すつもりだったのか」
「ぐだぐだ食い下がってんじゃねえよ。しゃあねえな……」
「イザナそういうところだぞ。イザナ」
諌める鶴蝶はさておき、コキッと首の関節を鳴らしたイザナが、息を吐く。
「でもアレ俺が殺さなくても死ぬだろ」
「……」
ゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴッ、と、一定間隔で響く鈍い音は、なんとなく、メトロノームを彷彿とさせる。アンダンテよりちょっとだけ速い。
殴打は、下敷きにした一虎を正確に捉えている。今死んでないのがむしろ奇跡的だろう。
殺すのがイザナではないなら。イザナが死ぬわけでもないなら。
鶴蝶が助ける義理も、実は、ない。
「うゔ――ああああ！」
一方。
駆け込んだ花垣がばさっと白の布切れを開いた――場地が着用していた
視界を塞いだ。
そのまま後ろへと引っ張る。
不気味なメトロノームが、止まる。
「千冬ゥいま！」
「っしゃあ！」
千冬が一虎の脇を掴んで、引き摺り出した。地面を捉えて、ようやく立ち上がりながらも、くらくらと視線の焦点が定まっていない一虎が「なんだよ……」つぶやく。
「なに……敵に、なにしてんだよ……テメェも……テメェが……」
「うるせえ知らねえ喋ってんじゃねえ！」
打てば響くにしても食い気味に、ぴしゃんと千冬は叩き返した。だいぶな暴言だ。一虎は素直に口を閉ざした。素直というか意識が朦朧としていて、抵抗する元気がない。
「俺らが場地さん心配すんの当たり前だろあの人オマエのために全部捨てて
「して！」
「するよ！」
捲し立てられる早口を聞き取ってすかさず叫んだ花垣に怒鳴り返す千冬。
あいつらコントやってんの？ イザナが首を傾げた。いやちょっとわかんねえ、鶴蝶も首を傾げた。
「したくもねえけど！ 俺は正直オマエのこと大っ嫌いだけど！ でも刺されたの場地さんなんだからオマエは場地さんに一発三発五発十発殴られてから死ぬなら勝手に死ね！ それまで死んでも死ぬんじゃねえ！」
これを正論と呼ぶべきか暴論と呼ぶべきか根性論と呼ぶべきかはやや判断に迷うところだ。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。今回は我ながら異様なスピードで書き上げてしまいました。続きはしばしお待ちいただければ幸いです。 (2022年11月1日 21時) (
レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 一番最初から読み直してたら血のハロウィン終わってた💦場地さん生き残ってるー✨稀咲兄弟がお互い確認しちゃった‼️続きが、聖夜決戦がどうなるのかメッチャ気になりますー💦更新、楽しみにお待ちしてます。 (2022年11月1日 11時) (レス) @page50 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - 安蒜 佑さん» ありがとうございます。ずいぶん長くなってしまったシリーズですが、それでも読んでくださる方がいらっしゃることがとても嬉しいです。更新ペースはまちまちなので気長にお待ち下さいませ。 (2022年10月31日 13時) (レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - 面白くて面白くて、続編に進む度にまだ続編があるか確かめて読んでいましたが、ついに追いついてしまいました...ちなみに、2日で全部読みました。余暇の時間すべて読むのに捧げました(笑) 大好きです！続きも楽しみにしてます！ (2022年10月30日 23時) (レス) @page50 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - ありすさん» ありがとうございます。今後ともゆるゆると書いていきますので気が向いたときにでも覗いていただければ幸いです。 (2022年10月25日 21時) (レス) id: 3cd0340111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-Doe | 作成日時：2022年10月25日 13時
