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。直人と別れて、場地は、暴対課のデスクに戻って東京卍會の資料をまとめる――とかそんなことはなく、警視庁の外に出た。昼休憩の時間帯なのでお叱りはギリギリ回避できるはず。たぶん。
ジャケットのポケットからスマホを取り出して、操作し、ポケットに戻す。同時に場地はワイヤレスイヤホンを耳に入れた。皇居沿いののどかな散歩道を黙々と進む。
「――おーよ。俺。……オレオレ詐欺はするとしたらテメェの方だろ」
やがて場地はおもむろに口を開いた。たれてきた前髪を指で払って、イヤホンの音に耳をすます。
「ん。……知ってる。パーとペーもだろ。……タケミッチ? アイツなんか倒れて今搬送されてるワ。……へー。……一虎は朝方連絡寄越したよ。千冬とかの話はそんとき一緒に聞いた。……そっちは?」
いくつかの情報を述べたのち、場地は黙った。足は止まらない。たまに相槌のように喉を鳴らす。
二〇一七年の十一月十九日は、ずいぶんな快晴だった。さして風も強くなく、時折、思い出したように堀の水面が波立つ程度である。
「……ウン。それはわかった。……俺オマエの話も聞いてんだけど。……ナニ? 話通じねえなまさかまたヤク入れてんのか? ……あー……相変わらずだなあの兄弟、あとちょいで全員パクれっからテメェらの出る幕はねえって言っとけよ」
うんざりと溜息をこぼして、場地はワイヤレスイヤホンの位置を少しだけ直す。
「……知らねーからなマジで、
何度かおざなりに肯定して、場地は「マイキーもそうだけど」とつぶやく。
「テメーも俺がブタ箱にちゃんとブチ込むからそれまで死ぬんじゃねえぞ。春千夜。……アイツまた最後まで聞きやがらねえ」
舌打ちとともにイヤホンを外して、ケースに仕舞った。それから場地はきょろきょろと周りを見回して、すぐそばのコンビニに足を踏み入れた。
電話をしていたせいで昼休みが残り短い。軽食を買って取って返せばギリギリ間に合うくらいの時間である。
コンビニの品揃えをざっと眺める。インスタント商品の品揃えのうち、ペヤングに目を留めて、それから、すぐに場地は視線を逸らした。結局おにぎりを二つとサンドイッチ、缶コーヒーを買った。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» いつもありがとうございます。続編も更新ペースはまちまちだと思いますので思い出したときにでも閲覧いただければありがたいです。 (2023年1月2日 1時) (レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 大量更新ありがとうございます‼️本日分、一気に読ませてもらいました‼️未来軸気になりすぎます💦続編も楽しみにしてます。 (2023年1月1日 18時) (レス) id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。自分のペースで更新していきますのでまたお暇なときにでも覗いていただければ幸いです。 (2022年11月17日 12時) (レス) @page2 id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 新章始まって嬉しいです✨楽しみに待ってました‼️ありがとうございます😆 (2022年11月17日 8時) (レス) @page2 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-Doe | 作成日時:2022年11月17日 3時