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「君はいいのか? 学校もお互い様っちゃお互い様だが、妹ちゃんたちとか」
「ああ、それはダイジョブっす」
Aの懸念に対し、三ツ谷の答えは明快だ。
「いくらルナとマナのこと好きでも、さすがに俺も息抜きねえと持たないんで、母親と相談してフリーの日決めてんすよ。今日は俺がフリーの日」
「なるほどな……」
「……あと、ちょっとあいつらにも関わってくるんで」
ぽそっと付け足した三ツ谷に、Aは一度瞬きをして「――ひとまず、俺は自己紹介するべきか?」一旦、話を変えた。
「純丘Aと言います。三ツ谷くんと知り合ったのは万次郎経由」
「それは知って……知って、マス。マイキーの道場でバイトしてる部長くんで、場地クンの雇い主で……」
「……三ツ谷くん三ツ谷くん、ちょっと、俺のことどっからどこまで
「え? 俺っつうかマイキーが、たぶんだいたいゼンブ?」
三ツ谷はあっさり答えた。彼は、Aの表情を見て「……っても副隊長までっすよ? 下全員まで連絡したら部長くん怒んねえけど困るでしょ」と付け加えた。
「必要コストか……まァならいいのかな」
「つうか部長くんも一応八戒のこと知ってるよな? 俺が話してるし」
「エッ、タカちゃんが!?」
露骨に喜色を帯びた声だった。Aは柔らかく――あるいは生ぬるく――微笑んで、言った。
「たまに話に出てくるのは知ってたよ。……ああ、ただ、そういえば
「タカちゃん……!?」
今度は絶望を滲ませた声だった。もうあからさまにわかりやすい。Aの笑顔は絶妙に生ぬるい温度を保っている。
悲痛な声を向けられたその先、三ツ谷はあれっと首を傾げた。違和感など微塵も感じていないご様子だ。たぶん大部分は慣れから来ている反応だ。
「言ってなかったっけ? なら、一回頭から紹介しといた方がいっか。……部長くんにもちょくちょく言ってた八戒がこいつ。小五、六からの付き合いで、今は俺ンとこの副隊長やってくれてる。いろいろ任せてるし、やることはちゃんとやり遂げてくれる、いいやつなんだわ」
「タカちゃん……!」
今度の声色には感動を含んでいる。タカちゃん三変化、Aは内心つぶやいた。こちらもこちらで、面倒見がいいとは思ってたけどここまで慕われているとは、なんてちょっと感心していた。
なにぶん、万次郎から紹介されて以降丸三年近く眺めていると、そんな感想にもなる。
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-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» いつもありがとうございます。続編も更新ペースはまちまちだと思いますので思い出したときにでも閲覧いただければありがたいです。 (2023年1月2日 1時) (レス) id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 大量更新ありがとうございます‼️本日分、一気に読ませてもらいました‼️未来軸気になりすぎます💦続編も楽しみにしてます。 (2023年1月1日 18時) (レス) id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
-Doe(プロフ) - いにみっちょさん» ありがとうございます。自分のペースで更新していきますのでまたお暇なときにでも覗いていただければ幸いです。 (2022年11月17日 12時) (レス) @page2 id: e27fa4e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
いにみっちょ(プロフ) - 新章始まって嬉しいです✨楽しみに待ってました‼️ありがとうございます😆 (2022年11月17日 8時) (レス) @page2 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-Doe | 作成日時:2022年11月17日 3時