第123話 Ten years ago ページ27
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大切な人たちがお見舞いに来てくれて、私の名前を呼んでくれているのに返事ができない。
私のせいで涙を流している人がいるのに涙を拭ってあげれない。抱きしめて励ましてあげれない。
楽しい話をしてくれているのに笑い合えない。
聞こえているのに身体が動かせないのはとても辛い。
もどかしさに心臓の鼓動を操って脈でモールス信号とかできないかなとか、出来もしないことを考えたこともあった。厨二病か。
タ「……Aちゃん
オレ、やっぱりマイキー君を助けたい」
過去の自分、前言撤回。
厨二病でもなんでもいいから私の心臓思い通りに動いてほしい。
というかモールス信号とか知らないから、とりあえずタケミっち思い留まってという意味を込めて脈早く動け。だがやはりそんなことは不可能で私の思いは届くことなく、タケミっちの決意を淡々と聞くことになる。
タ「ドラケン君にもナオトにも止められたよ」
貴「(そりゃそうだ)」
タ「けどマイキー君は辛い時ほど笑うよね」
貴「(……うん、そうなんだよ)」
タ「タイムカプセルの中にビデオテープ入っててさ
マイキー君が幸せになれって笑って言ってた」
貴「(幸せになれ、か…)」
タ「確かにみんな幸せな未来だ
けどマイキー君だけが幸せじゃない」
タケミっちもうすぐ結婚式なんでしょ？
何度もタイムリープしてヒナがいる未来を掴み取ったんでしょ？
ならこれ以上は万次郎を詮索するのはやめて。
タケミっちはみんなを救った。
じゃあ、タケミっちを救うのは誰？
タ「もし、もしまたタイムリープできたら
その時は絶対にマイキー君もAちゃんも
2人とも助けるから
───だから、待ってて」
タケミっちは力強くそう言いながら退室した。
もうその気持ちだけで充分だから危険なことはやめて。
私たちは君が幸せならそれでいいから。
私はそう長くない。
元々植物状態の人間の寿命は短いのだ。
病院の手厚い看病と様々な治療法で私は辛うじて生き永らえているが、もうそろそろ万策尽きると医師が話していたのを聞いた。
それから数日が経ったと思う。
ある日の夜、サイレンの音が鳴り響く病室の中、私の意識はプツリと完全に途絶えた。遠くから懐かしい声で呼ばれた気がした。
───舞台は10年前にまた遡る。
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てる。 - 初コメ失礼しました！最初は恋愛系かな？？と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (
レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ！！もうめちゃくちゃ感動できます！！更新楽しみにしてまーす！ (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたた | 作成日時：2021年9月25日 18時
