第118話 Vegetative state ページ22
*
虎「植物状態…？
なんで……Aが…そんな、」
映画やドラマでしか見たことの無いそれを聞いて混乱し続けていた頭がついに限界を迎えた。
なんで、なんでオレはいつもこうなんだ。自分自身の後悔はいくらしても消化することは出来ず、ボロボロと瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。
Aと最後に会ったあの日、アイツはこんなどうしようもなかったオレを"友達"だと言ってくれた。
出所したらずっと謝りたかったんだ。
ずっと伝えたいことがあったんだ。
虎「……A…ッ、
まだ…友達でいてくれっかなぁ…？」
項を垂れながら情けなく縋り付くように出たその声。
答えが返ってくるはずもなく広い病室に消えていくかと思いきや、どこか懐かしくも大人びた声で返ってきた。
三「Aなら"おかえり、一虎"って言うと思うぜ」
虎「！ ……おま、三ツ谷…？」
オレの問いに優しく微笑んでから、元気そうでよかったと病室に備え付けであろう柔らかいティッシュを手渡して来た。
涙で顔が見苦しいものになっていたので遠慮せずそれを受け取り、目や頬を拭き鼻も軽くかんでおく。
冬「八戒と柚葉さんも来てたんスね」
柚「最近は三ツ谷と毎日来てるよ」
八「もう少しでフランス行かねーとだからさ
少しでも一緒にいたいなって」
千冬と話す男女は会話から聞くにAとの知り合いらしい。というか男の方は東卍にいた気がする。
ティッシュをテーブルの上置き、しんみりとした雰囲気の中知りたくて仕方の無い本題を切り出した。
虎「……なァ、教えてくれよ
オレがいない間にAに…
マイキーに、東卍に……何があったのか」
すると三ツ谷は千冬たちにオレと2人で話したいと言い3人を病室の外に出させた。
1日10万円するVIP病室は来院用の大きなソファとテーブルが備え付けられており、三ツ谷と向かい合わせでそこに座る。
三「東卍解散後───…」
初めは昔を遡るように穏やかな顔をして話していたが、徐々にそれは消えてゆき最終的には眉を下げてやるせなさそうな、悔しそうな顔をしていた。
理解できるように簡潔にまとめるとこうだ。
東卍が解散した後マイキーと決別。そしてマイキーは姿を消し、今や日本最大の犯罪組織と呼ばれる"
その抗争に巻き込まれたのがAだった。
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てる。 - 初コメ失礼しました！最初は恋愛系かな？？と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (
レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ！！もうめちゃくちゃ感動できます！！更新楽しみにしてまーす！ (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたた | 作成日時：2021年9月25日 18時
