第98話 Keep waiting ページ2
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イ「マイキー…
オマエはオレを"救いたい"って言ったか?」
万「兄弟なら当然だ…もう喋るなイザナ…」
イ「…ある日オレを捨てた母と…偶然会った」
イザナは息たえだえに言葉を繋げる。
突如話し始めた身の上話に万次郎は不思議そうに聞く。
お母さんとは開店前のパチンコ屋の列で会ったらしい。
そのまま店内でイザナはなぜ自分の事を捨てたのか問うと、お母さんはタバコをふかしながら投げやりに告げたと言う。
「アンタはアタシの子じゃないの
アンタは前の旦那がフィリピンの女と作った連れ子
どーしようもねぇ男だったよ
結局チンピラに刺されて死んじまった
わかる?アンタは他所の子
血がつながってないんだよ」
始めから孤独なら耐えられた。
あると思っていた幸せがある日突然奪われた。
イザナは地獄に堕とされた気分だった。
万「イザナ…オマエ……」
イ「そうだ…
オレは真一郎ともオマエともAともエマとも
兄弟なんかじゃない…
誰とも血がつながってないんだよ」
貴「───ッ、うるさいッ!!」
涙と血を流しながら告白するイザナの姿。
どんどん覇気が無くなる声にもう時間が無いのだと実感させられる。
血に落ちている兄の手を握り、告げる。
貴「そんなの、昔から知ってた!!」
イザナが大きく目を見開く。
あぁ、もう止まらない。
私の思いも感情も言葉も何もかも全てが。
貴「少し考えればわかる…
イザナが施設に入った時点で
お母さんは私たちも捨てるつもりだった…!
佐野家に行ったのは私とエマだけ
じゃあなんでイザナだけ施設なの?って…
小さい頭働かせてずっと考えてた!!」
それはイザナは佐野家と血が繋がっていないからだ。
小学生4年生の時、真一郎に聞くとそれが答えだと言わんばかりに面食らっていた。
血が繋がっていないからなんだ。
そんなの私は関係なかった。
だって約束したから。
貴「けど、イザナが迎えに来るって言ったから!
ずっと、ずっと待ってた…!!」
イ「……A…覚えて、」
真一郎に会いに行くかと尋ねられた時も断った。
それはイザナが迎えに来ると信じてたから。
けど今は後悔してる。
私から迎えに行くべきだったと。
貴「…私、いつまで待てばいい…?
───お兄ちゃんッ……」
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てる。 - 初コメ失礼しました!最初は恋愛系かな??と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ!!もうめちゃくちゃ感動できます!!更新楽しみにしてまーす! (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年9月25日 18時