第90話 Decisive battle ページ43
*
待合室に戻ると万次郎が放心状態のまま座っていた。その前でタケミっちが立ち、身体を震わせながら何かを言っている。
タ「マイキー君…
オレは1人でも天竺とやります」
万次郎の返事はない。
そうだ、今日は天竺との決戦の日だ。
総長である万次郎の号令が無いと東卍は動けない。
だがタケミっちは宣言通り1人でも動くだろう。
貴「…タケミっち
ちょっと外で話さない?」
タ「Aちゃん…!?
その、だ、大丈夫…?」
貴「うん、今はね」
私がそう言うとタケミっちは何かを言いたそうな顔をして私の後ろを着いてきた。
外に出るとドラケンが立っていて頭を冷やしているんだなと瞬時に理解した。一瞬だけ目が合うとすぐにふいと目を逸らされる。そっとしておいてほしいのだろう。
ドラケンから少し離れた場所で話を切り出した。
貴「エマの死因って知ってる?」
タ「……バイクで突っ込んで来て
バットで頭をッ…!」
貴「三ツ谷たちと同じ、か…
天竺の誰がやったとか分かる?」
タ「…エマちゃんを殺したのは稀咲、でした…」
貴「そ」
私は大抵の事は笑って許す。
人は過ちを起こす生き物だと知っているから。
楽しみに取っておいたアイスを食べられても不良の皆さんに絡まれても、私が誰かに殺されたとしても許す。
真一郎の時は一虎だから許せた。
一虎は私の友達で優しい子だと知っていたから。
だが今回は話が違う。
8・3抗争。
ドラケンを殺そうとした。
血のハロウィン。
場地を殺した。一虎が逮捕された。
クリスマス。
柚葉を唆し大寿君を殺そうとした。
三ツ谷が、みんなが大怪我をした。
そして天竺との決戦。
エマを殺した。
稀咲、君は私のなんなんだ?
なんの権利があって大切な人を傷つける?
なんの権利があって殺す?
自分の感情にこんなどす黒い感情があったなんて。
それは泥のように私にまとわりつく。
貴「…こんなに人を恨むの初めて」
タ「……ッA、ちゃん…?」
できることなら稀咲をこの手で───、
けど今は万次郎を放ってはいけない。
傍で支えなきゃダメだ。
貴「タケミっち、ごめんね
いつもありがとう」
タ「…マイキー君の為なら!」
悲しそうな顔で笑うタケミっち。
ごめん、そんな顔させたかった訳じゃなかったのに。
そろそろ万次郎の傍に戻ろうとすると病院の入り口に見覚えのある人影が目に入った。
貴「…ヒナちゃん?」
ヒ「!! Aちゃんッ…!」
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時