第52話 Sorry ページ5
*
冬「場地さんから伝言がある」
タ「亡くなる直前にAちゃんにって…」
思わず息をのんだ。
それは私が聞く資格があるのだろうか。
場地の力に何もなれなかった私が?
冬「場地さんがオマエに向けた最期の言葉だ
心して聞け」
貴「まっ、て
……心の準備させて」
冬「…悪い。急ぎすぎた」
心臓が妙に早く脈打つのを感じる。手が震える。
目を閉じて何度も深呼吸を繰り返す。
だがそれは収まることを知らず私を支配しようとする。
すると手にぬくもりを感じた。
目を開けると万次郎が手を握ってくれていた。それを見たエマはもう片方の手を思いっ切り握ってくれた。
万「安心しろ、A
オレらがついてる」
貴「……うん」
私を安心させるような優しい笑み。その陰に真一郎の面影を感じた。エマも目に涙を浮かべながらも力強く私を見てくれていた。
貴「千冬聞かせて」
冬「…おう」
最後に一回だけ大きく息を吸う。
覚悟はできた。
場「"───約束守れなくて悪ィ
幸せになれよ"」
千冬が言っているのに何故か場地の声で聞こえた。
良かった。私まだ場地の声覚えてる。
というか約束ってなに。
もしかして中学卒業のこと?
本当だよ。できない約束はしない男なんじゃないの?
最近テストで良い点とれるようになってきたのに。
幸せってなに。
私はみんなが幸せならそれでいい。
それが私の幸せなのに。
言いたいことがありすぎて。
けどもうそれは本人には言えなくて。
貴「言い逃げなんてずるいよ…」
急に実感が湧いてきて涙が自然と流れた。
場地は私にとって初めての友達だった。
道場で出会ってよく組手の相手してた。
万次郎に喧嘩ふっかけてケガしてたのを手当してあげた。たまに私にもふっかけきて何度か返り討ちにした。
私は東卍には入らなかったものの場地は私の事を仲間だと言ってくれた。
真一郎の件から万次郎のこと一緒に協力して。
留年してから勉強教えるようになって。
妙に動物に好かれていたから猫と戯れたり。
くだらない事で笑って。
場地と過ごす時間は楽しかった。
貴「ありがと、場地…ッ」
私、場地の分まで幸せになるよ。
*
1253人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時