第86話 Late at night ページ39
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2月22日、午前1時45分。
どうやら今日が天竺との決戦の日らしい。
万次郎は東卍の緊急集会で武蔵神社へ。
私はというと最近買った小説を時間を忘れ夢中になって読んでいた。また1枚、また1枚と読み進めていると携帯から着信音が鳴る。
内心驚きながらも携帯を開くとメールのやり取りしかしない八戒からの着信だった。珍しいと思いつつ応答ボタンを押す。
貴「八戒?どしたの?」
八『Aッ!タカちゃんが!』
貴「え?」
八戒の切羽詰まった声ですぐに察した。
三ツ谷の身に何かがあった。
しかもかなりヤバい。
貴「八戒、落ち着いて
三ツ谷はそこにいるの?話せる?」
八『意識がねェ…!』
貴「今どこ?すぐ行くから」
伝えられた場所が家から近かったのが唯一の救いだ。
寒い冬の夜に全力で走るとクリスマスを思い出す。
大丈夫、三ツ谷はいなくならない。自身を安心させるように首から下げている指輪をギュッと握りしめた。
目的地に着くと倒れている三ツ谷とスマイリーの姿。
その横にいるのは八戒とアングリーだ。
貴「八戒!アングリー!」
ア「A!来てくれたの!?」
倒れている2人を見ると頭から血を流していた。
意識を失うほどの衝撃とは何があったのか聞くと、八戒が歯を食いしばりながらとても怒った様子で教えてくれた。
八「天竺の奴らだ!!
バイクで突っ込んできて後ろから鉄パイプで…ッ!」
貴「救急車は?」
ア「呼んだよ!
多分もうすぐ着くと思う…」
明日の抗争の前に隊長を潰そうって魂胆か。
自ら犯罪組織と呼ぶだけあるね。
救急車が来るまで血が出ている箇所を押さえておく。
アングリーにも清潔なガーゼを渡してスマイリーに同じようにするように促すと、八戒ほど狼狽えてはなく心強かった。
貴「八戒、このこと万次郎に伝えて
三ツ谷は私に任せて」
八戒が少しだけ躊躇したあとダメ押しにお願いと頼むと力強く頷き、顔つきを変えてバイクに股がった。
八戒は排気音を残して武蔵神社へ向かった。
時刻はもう2時過ぎ。集会は既に始まっている。
きっと誰かが八戒を落ち着かせてくれるだろう。
貴「……スマイリー大丈夫そう?」
ア「うん、息はしてる
血も止まってきたから大丈夫かな」
貴「良かった…」
しばらくすると救急車が2台やって来た。
三ツ谷の知り合いとして同乗したが救急車というのは思いのほか乗り心地が悪かった。走行中に頭をぶつけまくった記憶しかない。
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時