【東卍】私の幸せ 弐【三ツ谷隆】

第78話 Family ページ31

*





元旦から数日後、新年1発目の東卍の集会が行われた。


大きく変わった事は2つ。

1つ、11代目黒龍は壱番隊の下についた。
もう1つは、参番隊隊長である稀咲鉄太が除名された。
それにつれ陸番隊隊長、半間修二も辞めた。

東卍総勢450人が一夜にして元愛美愛主50人、元芭流覇羅300人が抜け初めの頃の100人に戻った。


聖夜(クリスマス)決戦をけしかけたのは稀咲であり、千冬を裏切り柚葉をナイフを渡す等また回りくどい手法で動いていたらしい。



貴「稀咲の頭の良さ
もうちょっと他の事に生かせないのかなぁ」


万「知らねー」



稀咲の目的は知らないけどアイツは絶対また別の手を使って仕掛けてくる。

愛美愛主と芭流覇羅を吸収して以来知らない人ばかりで集会行くの控えてたけどそろそろ行けそうかな。



貴「あ、そう言えば
最近横浜に新しいチームできたらしいよ」


万「なんてチーム？」


貴「確か"天竺(てんじく)"だったかな…」


万「ふーん、Aまた絡まれたの？」


貴「正解♡」



つい先日久しぶりに不良の皆さんに絡まれた。
まぁ、もれなく全員ノシましたけども。

私に殴りかかってきた挙句、制服に返り血がついて洗濯が大変だった。その引き換えとして情報をもらったのだ。



万「なー、なんでケンチンはエマと付き合わねぇの？」


貴「ドラケンはエマの事大切にしてるの」


万「意味わかんねー
さっさと自分のモンにしちまえばいいのに」


貴「……ジャイアニスト」



朝ごはんの片付けをしながら万次郎と話す平和な日常。

万次郎の髪はまだボサボサでヘアセットをしてもらおうと私が皿洗いを終えるのを待っているのだろう。



万「Aと三ツ谷が結婚して
エマとケンチンが結婚すんだろ？」


貴「…よくそんな事恥ずかしげもなく言えるね」


万「オレの夢はいつかオマエらに子供が生まれて
お互いに家持ってオレが遊びに行くと
酒飲みながら何度もした昔話で盛り上がる」


貴「ふは、典型的な酔っ払いだ」


万「そんで夜中まで居座ってどんちゃん騒ぎすんだ
パーちんとかタケミっちとか呼んでさ
赤ちゃん起きちゃってブチ切れられたり…」


貴「いや、やめてね
やたらリアルで想像できちゃうから」


万「だろー？
将来が楽しみだな！！」



未来の話を楽しそうにする万次郎。

確かにドラケンと三ツ谷とも家族になれる未来は万次郎にとって幸せだろうな。勿論私にとっても、エマにとっても。





*

第79話 Crepe→←第77話 Report

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す