第75話 Love ページ28
*
寄り道と言われ着いたのは三ツ谷家だった。
ちょっと待ってろと言われたので大人しく待つ。
数分して三ツ谷は家から出てきた。
三「…本当はカタギになってから
渡すつもりだったんだけどな」
貴「?」
三ツ谷から小さな巾着型の袋を受け取る。
紐を弛め袋を開けると中から出てきたのは指輪だった。
シンプルなデザインのオレンジゴールドの指輪。1本しかない街灯に照らされてキラリと光る。
三「───好きだ」
貴「へ?」
指輪から意識が三ツ谷にうつる。
急な事で頭がついていかなかったが三ツ谷目線が合うと雷が落ちたようにバチりと瞬時に意味を理解した。
全身の熱が顔に集中しているのではないか?
冬の寒さがちょうど良いくらいだ。
三「指輪も安モンだし
家の事で迷惑かけるかもしれない」
貴「……うん」
三「けど、絶対いなくならない
約束する」
貴「…うん」
三「───…オレと付き合ってくれませんか」
見つめ合う目線はじりじりと私を溶かしていく。だがそれは居心地が良いものでゆっくりと鼓動が落ち着きを取り戻していく。
貰った指輪を左手の薬指にはめると三ツ谷は目を大きく見開いた。サイズが驚くくらいピッタリでつい笑いがこぼれてしまった。
貴「私も三ツ谷が好き」
私も想いを伝えると三ツ谷は大きくため息を吐いた。
なに、失礼しちゃう。
一世一代の告白なのに。
文句を言ってやろうと思ったが三ツ谷の顔は何時ぞかのように真っ赤に染まっていて、何を言おうとしたか忘れてしまった。
三「……ほんとそういうトコな」
貴「え?どういうトコ?」
三「そういう可愛い事すんなってこと
…都合良く受け取っちまうぞ」
貴「いいじゃん、私の彼氏でしょ?
自惚れてもいーよ♡」
三「……マイキーの妹だワ…」
貴「んふふ、そうだよ?」
すると三ツ谷は私の手を取り歩き出した。
いつもと違うのは手の繋ぎ方だ。
指を絡めて繋ぐ、所謂恋人繋ぎ。
三ツ谷に送ると短く告げられ雪道を歩く。
三「初詣一緒に行かね?」
貴「ゴメン…エマと行く約束しちゃった
多分万次郎とドラケンも一緒」
三「やっぱなー
遅いだろうなとは思ってた」
貴「来年は一緒に行こうね」
三「来年も再来年もその先も、な」
優しく微笑んで私を見る三ツ谷。
それに釣られて私も微笑む。
繋がっている手から伝わる体温は温かい。
キュッと少しだけ手に力を入れると三ツ谷も握り返す。
貴「(幸せだ…)」
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第76話 Happy new year→←第74話 Weak voice
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時